投資銀行のアジア役員室は空っぽのまま-稼げる中国案件減る

幾つかの世界的な投資銀行がアジアに置く役 員室に、最近は誰もいないことに驚いてはいけない。

規制強化と競合する中国国内の銀行の台頭で、欧米の銀行が引き受 ける新規株式公開(IPO)などの大型の中国案件が減っている。こう した業務は昨年、70億ドル(約8700億円)の手数料収入を生み出し、香 港を拠点とする稼ぎのいいバンカーを支えてきた。

だが状況の変化を受けて、各行はこの分野を担当するトップを空席 のままにし、いわゆるリレーションシップバンカーの業務なしで済まそ うとする意向を強めている。こうしたバンカーはこれまで、中国の大物 経営者を巻き込んだ広範なネットワークを生かし実入りのいい取引をも たらしてきた。ルールの厳格化もまた、野心的なバンカーにとってこの 役職の魅力を小さくしている。

UBSグループのアジア投資銀行業責任者(香港在勤)を6月に辞 めたデービッド・チン氏(47)は、「規制環境がより厳しくなり、各社 がさまざまなやり方で戦略調整をしている」と指摘。経験を積んだバン カーはアジアの「投資銀行で働くことに、それほど熱心ではなくなりつ つある」と述べた。

チン氏はUBSに21年間在籍し、中国民生銀行による2009年の香港 IPOや中国銀行が06年に実施した香港IPOなどの案件に尽力。民生 銀は40億ドル規模、中国銀は112億ドル規模のIPOだった。同氏は9 月に英ケンブリッジ大学の客員研究員となる予定。UBSはチン氏の後 任を発表していない。

数十年に及ぶ中国経験のあるバンカーが、ドイツ銀行やクレディ・ スイス・グループ、シティグループなどの金融機関からここ1年で去っ ている。中国で企業の合併・買収(M&A)を扱うビジネスが難しくな っていることや、利益改善を求める株主の圧力に世界的な銀行が直面し ていることが背景だ。

原題:Being a China-Connected Global Banker Isn’t What It Used To Be(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE