ソフバンク:アローラ副社長が自社株600億円購入、将来性に賭け

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日米で通信事業を展開するソフトバンクグル ープのニケシュ・アローラ副社長が約600億円に相当する自社株を買い 付けることが明らかになった。

会社の発表資料によると、東京証券取引所の市場取引によりアロー ラ氏が個人として買い付ける。同氏は資料で「これからのコミットメン トを示すものとして、個人としてもソフトバンクグループの将来性に賭 け」、孫正義社長とともに「ビジョンの方向性を確かなものにするため に」決断したと述べている。

孫社長は同資料でアローラ氏が「ソフトバンクグループの将来性に 賭ける決断をしたことを喜ばしく」思うとした上で、「適切な時期がく れば、彼には事業を引き継いでもらうことを期待」していると述べた。

アローラ氏の株式取得方法の詳細や取得後の売却予定についての問 い合わせに対し、ソフトバンクの広報担当、小寺裕恵氏は回答しなかっ た。

アローラ氏は47歳。昨年7月、最高事業責任者(COO)だった米 グーグルからソフトバンクに移籍。今年に入って副社長に起用され、孫 氏に後継者候補として指名された。インドで配車サービスを運営する ANIテクノロジーズ(通称オラ)や中国の配車アプリ、杭州快迪科技 (クアイディ)への出資など、ソフトバンクの戦略的投資に重要な役割 を果たしてきた。

報酬165億円

アローラ氏は先月のインタビューで「当社は新しいタイプの投資家 だ」と話し、中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディン グへの投資のような成功例がもっと増えるよう貢献したいと述べた。孫 氏は2000年にアリババに2000万ドル(25億円)出資し、昨年の新規株式 公開まで14年間待った。持ち分の価値は現在600億ドルを上回る。

ソフトバンクの有価証券報告書によると、アローラ氏の2015年3月 末までの1年間の短期報酬と株式報酬は、合計165億5600万円となって いる。孫氏は8月の決算発表後の会見で、アローラ氏がインドのIT企 業などに対して行った株式投資の評価益がすでに500億円を超えたと明 らかにし、「ニケシュをM&Aしたと思えば十分お釣りが来たといえ る」と述べている。

SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは「アローラ氏はアジ アへのインターネット投資の加速で実績がある」と述べた。ただ就任か ら「まだ1年で、株式市場から見た成果が十分でない。今回の買い付け でコミットすれば期待は高まるかもしれない」と話した。

ソフトバンクは17日に同社として最大となる1200億円の自己株式取 得を終えたと発表したばかり。

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