JPX日経400にライバル、ROE継続性でJALなど独自銘柄

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企業経営者に株主資本利益率(ROE)を意 識させ、日本株市場に新たな潮流を生んだJPX日経インデックス400 にライバルが出現した。新指数は、将来的な高ROEの継続性を重視す るなど競合との差別化を図り、JPX日経400に入らない独自銘柄も採 用する。年内をめどに新指数連動の投資信託も登場する見込みだ。

三菱UFJ信託銀行とスイスの株価指数算出会社のSTOXX(ス トックス)が共同で開発したスマートベータ指数「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150インデックス」は、単年度だけでなく、継続的に高い ROEが実現可能な150銘柄で構成される。スマートベータは銘柄選択 や加重方法に付加価値を加えたもので、上場全銘柄の時価総額に単純連 動する従来型のパッシブとは異なり、高い運用効率を狙ったものだ。

三菱UFJ信託・資産運用部の増田義之役員付部長はブルームバー グのインタビューで、「投資家が大規模な資金を投資でき、安定的なリ ターンを得るのに一番便利な指標を組み合わせた」と新指数開発の狙い を語った。

JPX日経400では、3年平均のROEや累積営業利益など定量的 指標によるスコアリングを補完するため、独立した社外取締役の選任 (2人以上)など定性的要素も加点しているが、クオリティ150では ROEと財務指標による銘柄抽出に特化する。

「グローバルな投資家の認識として、ガバナンスというのはリター ンのアルファのドライバーではない」と増田氏。投資家との対話を企業 経営者に喚起する側面も持ったJPX日経400と「目的、役割は違う」 と言う。

JALや日医工

投資リターンを重視したクオリティ150には、JPX日経400には採 用されていない日本航空や日医工が含まれる。7日に公表されたことし のJPX日経400の定期銘柄入れ替えで、新たに追加されたアルプス電 気やコーセー、トプコンもクオリティ150の採用銘柄だ。

年内をめどに、グループ企業の三菱UFJ国際投信でクオリテ ィ150に連動する投資信託を組成する見通し。増田氏は、「海外投資家 の日本株への関心が高まる中、日本に投資をしてもらう機会にしたい」 と話した。三菱UFJ信託では、スマートベータ運用への投資家の関心 の高まりなどを受け、6月にアクティブ運用とインデックス運用の各部 門を統合。「パッシブとかアクティブという線引きは今後なくなってい く」と同氏はみている。

「iSTOXX MUTB JAPAN クオリティ150」は、ストックス社が東京証 券取引所に上場する流動性上位600銘柄で構成した「STOXX JAPAN 600」 を投資ユニバースとし、ROEが高く、「財務健全性」「キャッシュフ ロー収益性」「利益安定性」の3点から高ROEの継続ポテンシャルを 持つ150社を選ぶ。銘柄入れ替えは6、12月の年2回。流動性を確保す るため、個別銘柄の保有上限を2%としている。

ストックス社の日本地域担当、ロイ・ウォン氏は「顧客にとって透 明性が最も重要。隠れた基準は何もない」とし、ROE指数そのものに より重きを置いたと言う。他国と比較し、「日本企業が今後高い利益性 を示していく可能性があることに自信がある」とも述べた。

三菱UFJ信託の試算では、15年3月末基準のMUTBクオリティのリ スク・リターンは0.27と、MSCIジャパン・クオリティの0.19、 JPX日経400の0.11、TOPIXの0.08を上回り、最も高かった。

19日の日本株市場では、クオリティ150が前日比2%安の172.82と 続落して終了。JPX日経400は1.5%安の14828.58と3日続落し、 TOPIXは1.4%安の1648.48と続落した。中国の株式市場、経済情勢 への不透明感が再燃する中、東証1部全体の値動きを示すTOPIXに 対し、高ROE銘柄を含む指数に売り圧力が強まった。

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