8月19日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、FOMC議事録で9月利上げ観測が後退

19日のニューヨーク外国為替市場でドルが下落。連邦準備制度理事 会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC、7月28-29日 開催)の議事録を受けて、市場では9月利上げ観測が後退した。

議事録では、大半の参加者が「政策を引き締める状況には依然達し ていないと判断したが、その状況に近づきつつあるとの認識を示した」 と記された。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)の債券調査 責任者、ジェニファー・ヴェイル氏は「市場は議事録のハト派部分に注 目しているようだ」と述べ、「当局者は特にインフレ部分を注視してい る。インフレが目標値である2%に回帰しているとの確信を持つために はさらにデータが必要だ」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.3%低下して1208.26。ド ルは対ユーロで0.9%下げて1ユーロ=1.1120ドル。対円では0.5%安の 1ドル=123円80銭。

利上げ見通し

利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%に なるとの仮定に基づけば、市場に反映されている9月会合での利上げ確 率は約36%と、議事録公表前の50%から低下した。

シリコン・バレー・バンク(カリフォルニア州サンタクララ)の上 級為替トレーダー、ミン・トラン氏は「議事録からは当局は利上げを考 えているが非常に慎重に進める姿勢が示された」と述べ、「弱気な議事 録だ。初回利上げ後の行動を決めるにはさらにデータを集める必要があ ることが読み取れるからだ」と続けた。

労働省の発表によると、7月の消費者物価指数(CPI、季 節 調 整済み)は前月比で0.1%上昇と、前月の0.3%上昇から伸びが鈍化し た。

インベスコ・パワーシェアーズでシニア株式商品ストラテジストを 務めるニック・カリバス氏は「9月に金融当局が動くとの確信を持てる ほどインフレは十分ではない」と述べた。

原題:Dollar Falls as Traders Trim Bets on September Fed Rate Increase(抜粋)

◎米国株:下落、資源安などで-FOMC議事録で一時は下げ縮小

19日の米株式相場は下落。午後に入り米連邦公開市場委員会 (FOMC)議事録の内容を受けて一時下げを縮めたものの、その後は 中国や世界経済への懸念が再び広がった。

FOMC議事録では、当局者らは利上げを開始できる状況にはまだ 至っていないと判断したことが示された。これを手掛かりに相場は一時 下げを縮小した。議事録を受けて次回会合での利上げの観測が後退した 一方、中国による突然の人民元切り下げの新興国資産への影響が続いた ほか、資源価格が下落する中で世界経済減速への懸念も強まった。

コニファー・セキュリティーズの株式トレーダー、スティーブ・ボ ンバルディア氏は「どのような反応が出たとしても反射的なものだ」と し、「商いは極めて薄く、相場は振れやすい。ただ資源が値下がりして いるほか、中国が若干コントロールを失いつつあるように思われること から、やや神経質になっている部分もある」と続けた。

S&P500種株価指数は前日比0.8%安の2079.61。議事録公表後に はそれまでの下げをほぼ埋める場面もあった。ダウ工業株30種平均 は162.61ドル(0.9%)安の17348.73ドル。

キャタピラーやフリーポート・マクモランが安い。業種別では素材 株や資本財・サービス株の指数が大きく下げた。エネルギー株は1月以 降で最大の下げ。米国の原油在庫が予想外に増加し、原油相場が大きく 下落したことが材料視された。

海外の動向

相場はここ1週間ほどは比較的落ち着いていたが、海外市場の情勢 悪化をめぐる懸念が米国株市場に戻りつつある。新興市場では株価が4 年ぶり安値に下落するなど売りの動きが収まっておらず、中国の人民元 切り下げの影響に対応するためにベトナムは自国通貨を切り下げ、カザ フスタンは大幅下落を容認した。一方、原油価格は産油国による生産量 維持の兆候を受け、今年の高値から30%余り下落している。

この日は世界的に株安となり、MSCIオールカントリー世界指数 や欧州のストックス600指数も下落。シカゴ・オプション取引所 (CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は11%上昇し15.25。3 日連続での上昇となった。

FOMC議事録

この日公表されたFOMC議事録では、当局者らは、利上げに向け た環境は整いつつあるとした一方、労働市場に一段の改善余地があるほ か、インフレ率が目標に向けて上昇するとの確信を深める必要があると の認識を示した。

LPLファイナンシャル(サンディエゴ)の市場ストラテジスト、 アンソニー・バレリ氏は「ほぼ全メンバーがインフレのさらなる証拠が 必要との認識を示した」とし、「前回のFOMC会合以降、インフレ期 待は低下し、ドルは一段と上昇、そして中国は通貨を切り下げた。これ ら全ては、インフレが会合時ほどリスクとなっていないことを示してい る。つまりそれは米利上げを否定する根拠ということになる」と述べ た。

朝方発表された7月の米消費者物価は前月比で上昇したが、3カ月 ぶりの低い伸びとなった。

S&P500種の業種別10指数では8指数が下落。エネルギー株 は2.8%安となった。米エネルギー情報局の週間在庫統計によれば、原 油在庫は先週262万バレル増加した。アナリスト予想は82万バレルの減 少だった。

原題:U.S. Stocks Fall as Fed Boost Fades Amid Oil Rout, China Concern(抜粋)

◎米国債:反発、FOMC議事録受けて9月利上げの可能性が低下

19日の米国債相場は反発。2年債利回りは約2週間ぶりの大幅低下 となった。午後に公表された7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議 事録で9月の利上げ観測が弱まった。

議事録では、大半の参加者が「政策を引き締める状況には依然達し ていないと判断したが、その状況に近づきつつあるとの認識を示した」 と記された。株式や原油相場の下落も国債の買い材料。金利先物市場が 示唆する9月の利上げ確率は40%未満。

三菱UFJセキュリティーズUSAの米金利戦略ディレクター、ジ ョン・ハーマン氏は「FOMCは9月利上げから手を引きつつある。十 分な根拠を得ていないとなお判断しているようだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時前後に10年債利回りは前日比7ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.13%。同年債(表面利率2%、償還2025年8月) は5/8上げて98 27/32。

金融政策の見通しに最も敏感な2年債利回りは約6bp低下 の0.66%と、7月31日以来の大幅な下げとなった。

9月16-17日の次回FOMCで利上げが決定される確率は約36%と して金利先物市場に反映されている。この日は50%前後となる場面もあ った。利上げ確率は引き締め開始後の実効フェデラルファンド(FF) 金利が平均0.375%になるとの仮定が基になっている。

「長期債を買うべきだ」

ノバスコシア銀行の資本市場戦略ディレクター、ガイ・ヘーゼルマ ン氏は議事録公表後にまとめた調査リポートで、「長期債を買うべき だ」と指摘。「4週間後の政策についてこの日の議事録はほとんど情報 を示していない」との見方を示した。

商品価格が下落し、世界経済が減速しているとの懸念がある中、 FOMCがインフレ率を押し上げる能力について懐疑的な見方が投資家 の間で広がっている。当局のインフレ目標は2%。

通常の10年債とインフレ連動国債10年物の利回り差は一時、1.55ポ イントと1月以降で最小となり、インフレ期待の弱まりを示唆した。

米労働省の発表によると、7月の消費者物価指数(CPI、季 節 調整済み)は前月比で0.1%上昇と、前月の0.3%上昇から伸びが鈍化し た。ブルームバーグがまとめたエコノミスト78人の予想では0.2%の上 昇だった。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、 ガイ・リーバス氏(フィラデルフィア在勤)は「インフレ率が2%に向 けて上昇するとの期待はあるが、それを示唆する経済指標はない」と述 べた。

原題:Treasuries Gain as Fed Minutes Lead to Reduced Bets on September(抜粋)

◎NY金:1週間ぶりの大幅上昇、FOMC議事録で利上げ警戒和らぐ

19日のニューヨーク金先物相場は反発。1週間ぶりの大幅上昇とな った。連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を受けて、差し迫った 利上げ警戒感が薄れた。

エバーバンク・ウェルス・マネジメント(セントルイス)のバイス プレジデント、マイク・マイヤー氏は電話取材に対し、「どうやら9月 利上げは決定済みではないようであり、金相場がこれに押し上げられて いるのは明らかだ」と述べた。「インフレもかなり静かな状況にあり、 中国不安もあることから、利上げは9月や10月というより、12月になり そうだ」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比1%高い1127.90ドルで終了。FOMCの議事録が公表さ れた後のニューヨーク時間午後3時6分現在は1130.14ドル

銀先物12月限は2.6%高い15.222ドル。プラチナとパラジウムも上 昇した。

原題:Gold Jumps Most in a Week as FOMC Minutes Eases Rate Concern(抜粋)

◎NY原油:急反落、予想外の在庫増加で2009年3月以来の安値

19日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は急反落、2009年3月以来の安値に沈んだ。先 週の米原油在庫が予想に反して増加していたことが統計で明らかになっ た。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話取 材に対し、「きょう明らかになった在庫の積み上がりは、原油価格の下 げを加速させる新たなきっかけとなった」と指摘。「増加はまったくの 予想外で、輸入も急増した」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比1.82ドル(4.27%)安い1バレル=40.80ドルで終了。終値ベース で2009年3月2日以来の安値。取引中には40.46ドルまで下げる場面も あった。9月限は20日が最終取引。10月限はこの日、1.85ドル下げ て41.27ドルで引けた。

原題:Crude Tumbles to Six-Year Low After Unexpected U.S. Supply Gain(抜粋)

◎欧州株:6週ぶり安値、中国経済減速を懸念-輸出銘柄が安い

19日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は6週 間ぶり安値を付けた。中国経済の減速をめぐる懸念から、輸出銘柄を中 心に売りが広がった。

ストックス600指数は前日比1.8%安の381.31で取引を終了。前日ま で続伸していた。業種別指数では自動車株が2.5%、化学株が2.4%それ ぞれ下げ、資源銘柄は終値ベースで2009年以来の低水準となった。

スイスの資源会社グレンコアは9.7%下げて最安値を更新。大幅減 益が嫌気された。フランスのプジョーシトロエングループ(PSA)と ドイツのダイムラー、独BASFも大きく下げた。

ドイツ銀行のマクロ部門グローバル共同責任者、ニック・ローソン 氏(ロンドン在勤)は「投資家らがどの段階で市場に参加するのか興味 深い」とし、「自動車や工業、化学などの銘柄はいずれ下げた分を取り 戻すだろう。こうした動きは中国人民銀行が先週介入した後に見られ た。市場は成長やデフレから業績へと焦点を移している」と発言した。

中国人民銀が先週に人民元を実質切り下げて以降、それが商品や自 動車などモノの需要に与える影響が懸念され、ストックス600指数 は4.6%下げている。

この日の西欧市場では、独DAX指数が2.1%下落。前日は1月以 来で初めて200日平均を割り込んで終了した。一方、ギリシャのアテネ 総合指数は0.3%上昇。ドイツ議会が最大860億ユーロ規模の第3次ギリ シャ救済を承認した。

原題:China-Led Concern Drags European Stocks to Lowest in Six Weeks(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債ほぼ変わらず、もみ合う展開-FOMC議事録控え

19日の欧州債市場では、ドイツ国債がほぼ変わらずとなった。米利 上げ開始時期を見極める上で米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事 録が注目される中、ユーロ参加国の国債はもみ合う展開となった。

高利回りの国債は一時上昇。ドイツ議会が最大860億ユーロ規模の 第3次ギリシャ救済を承認し、同国のユーロ圏離脱リスクが低くなった ためだ。FOMC議事録は米東部時間午後2時に公表される。

クレディ・アグリコルCIBの債券アナリスト、オーランド・グリ ーン氏(ロンドン在勤)は「FOMC議事録が注目される」とし、「タ カ派的な見方が強まっているかが重要だ」と発言。同氏自身は9月利上 げ開始を予想するが、実際の決定は「予断を許さない」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時15分現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ 横ばいの0.64%。同国債(表面利率1%、2025年8月償還)価格 は103.51。利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇 したり、2bp下げる場面もあった。

イタリア10年債利回りは2bp上昇し1.83%。一時は4bp低下し た。同年限のスペイン国債利回りは2%で、ほぼ変わらず。1.97%まで 下げる場面もあった。

原題:European Bonds Fluctuate as Investor Focus Turns to Fed Minutes(抜粋)

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