債券上昇、米債高や流動性供給入札結果が支え-先物4カ月ぶり高値

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債券相場は上昇。前日の米国市場で7月の連 邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けて、9月の利上げ観測が後 退。世界経済の先行き懸念から米債高・株安となったことや、この日の 流動性供給入札で投資家の需要が確認されたことが支えとなった。

20日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比11銭高の148円 05銭で開始。いったんは148円ちょうどに伸び悩んだものの、その後は 買いが再び優勢となった。午後からは流動性供給入札結果を受けた買い で4月28日以来の高値となる148円08銭まで上昇。結局は13銭高の148 円07銭で引けた。

長期金利の指標となる新発10年物国債の339回債利回りは、日本相 互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を0.5ベーシスポイント( bp)下回る0.365%で始まり、午前は同水準で推移。午後に入ってから は12日以来の低水準となる0.355%を付けた。

超長期債も堅調。新発20年物153回債利回りは0.5bp低い1.14%で始 まった後、徐々に水準を切り下げ、午後から1.13%で推移。新発30年 物47回債利回りは1bp低い1.385%で始まり、午後には1.375%を付け た。

BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、世界的 な株安・債券高の流れを引き継ぎ、日本国債も買われていると指摘した 上で、「流動性供給入札もしっかりとした結果となり、一段の支援材料 」と述べた。

財務省が午後零時45分に発表した流動性供給入札の結果によると、 募入最大利回り較差がマイナス0.013%、募入平均利回り較差はマイナ ス0.020%となった。投資家需要の強弱を示す応札倍率は3.87倍と、4 月21日以来の高水準だった。今回は残存期間5年超から15.5年以下の国 債が対象。

国内株式市場では新興国株安を通じた世界的な景気先行き懸念が広 がる中、TOPIXは前日比1.5%安の1623.88で取引を終えた。一方、 ドル・円相場は米国の9月利上げ観測の後退で、前日の海外市場の終盤 と同じ1ドル=123円台での展開がしばらく続いたが、午後の取引が進 むにつれて124円前後までドル高・円安が進んだ。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「海外の株安・債 券高の流れを引き継いで堅調な地合い。米国は物価上昇が追いついてい ない感じで、確信が持てない中で中国リスクも高まり、個人的には9月 の利上げは難しいとみている」と指摘した。

19日の米国債相場は9月の利上げ観測の後退で上昇。10年国債利回 りは2.13%程度と、前日比7bp低下で引けた。S&P500種株価指数は 前日比0.8%安の2079.61だった。

FOMC議事録では、大半の参加者が「政策を引き締める状況には 依然達していないと判断したが、その状況に近づきつつあるとの認識を 示した」と記された。

--取材協力:船曳三郎.

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