「女の子はピンクのバービー」時代遅れ、玩具が科学者への道開く

1980年代初めから2000年代初めに 生まれたミレニアル世代は、女の子ならピンク、男の子ならブルーのお もちゃを与えられて育った。今、自らが親になりつつある彼らはこうし た傾向が90年代ごろからあまり変わっていないことに気付いた。そこ で、この世代らしい方法で、玩具業界を変えようとしている。インター ネットで資金を募る「クラウドファンディング」による新興企業の立ち 上げだ。

クラウドファンディング用のサイトで提案されている玩具は本やカ レンダー、人形やおもちゃとさまざまだが、女の子にも科学・技術・工 学・数学(STEM)への興味を喚起し能力を育てるような玩具が目立 つ。サイトの一つ、キックスターターにはこのような玩具の製造に向け たキャンペーンが毎週のように載ると、同社広報担当者が述べた。

クラウドファンディングを利用して起業した玩具メーカーには成功 しているところもある。女の子にエンジニアリングを教える玩具セット を売り出したゴールディブロックスはキックスターターを介して資金と 関心を集め28万5000ドル(約3500万円)を調達、今では6000の店舗で販 売されている。広報担当者が述べた。

8歳未満の女の子にプログラミングを教えるインタラクティブ・ア ームバンドを売ろうとしているリンキッツはクラウドファンディング で10万ドル以上を集めることに成功した。創業者のリッサ・ニール氏は マサチューセッツ工科大学出身のコンピューター科学者だ。

新興の玩具メーカー、アークルの共同創業者イアン・ハーキン氏 は、クラウドファンディングは新興メーカーが製品の認知度を高めて発 売前に顧客ベースを作るのに役立つと話す。

アークルは「ロッティー・ドール」を製造している。着せ替え人形 だがバービーとは違う。天文学者やロボットエンジニアに変身できる。 昨年は人形30万体と付属品20万点を売ったと同氏が述べた。英国ではク ラウドファンディングがそれほど発達していないのでその資金調達方法 は使わなかったが、性別をあまり意識しない玩具を求める消費者需要は 英国でも確かにあるという。

大手玩具メーカーは「既定路線からあまり離れようとはしない。小 手先で変わったように見せ掛けるかもしれないが、最終工程はピンクの 塗料とキラキラさせる素材でいっぱいだ」とハーキン氏は電子メールで コメントした。「ピンクとキラキラが悪いというわけではないが、女の 子のおもちゃはこれと決めつけるべきではない。しかし残念ながら、大 手の玩具店とメーカーの考えはあまり変わっていない」と指摘した。

パイパー・ジャフレーのシニア調査アナリスト、ステファニー・ウ ィシンク氏によれば、クラウドファンディングから生まれた新興企業の 製品が受け入れられるか判明する最初の機会は今年のクリスマスにやっ てくる。

同氏は「ミレニアルは男女機会均等の中で育った初の世代だ。これ から人形を買ってもらおうという女の子たちは仕事重視で働いている女 性を見ている。さらに、今9-10歳の世代は携帯端末の存在しない世界 というものを知らない」と分析。大手の玩具メーカーもやがては製品の 幅を広げ、男の子と女の子の両方に向けたSTEM玩具の品ぞろえを増 やしてくだろうと語った。実際、米小売りチェーン大手ターゲットは最 近、玩具売り場を男の子向けと女の子向けに分けるのをやめると発表し た。

小さいころから女の子をSTEM玩具に触れさせることで、将来コ ンピューター業界などに入る女性が増えると考えられる。米国大学女性 協会(AAUW)のリポートによると、コンピューターの専門職に女性 が占める割合は2013年に26%だった。これは1960年とほぼ同じ。

リンキッツのニール氏は大手メーカーに先駆けて、多様性につなが る種をまくつもりだ。「巨大な市場なのに誰も手を付けていない。玩具 業界は女の子のことを忘れている」と同氏は話した。

原題:Watch Out, Barbie: Crowdfunded Toy Startups Aren’t Playing Around(抜粋)

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