OPECの「フラジャイル5」、市場シェア維持の代償膨らむ

石油輸出国機構 (OPEC)は 加盟国の市場シェアを守る方針だが、その代償が膨らみつつある。

原油価格は6年ぶりの安値を付け、OPECで最も脆弱(ぜいじゃ く)な国で政情が悪化するリスクが上昇している。これらの諸国にはア ルジェリアとイラク、リビア、ナイジェリア、ベネズエラが含まれ、 RBCキャピタル・マーケッツは「フラジャイル・ファイブ」と呼ぶ。

悪影響が出ているのは5カ国だけにとどまらない。サウジアラビア でさえ約30年ぶりの大幅な財政赤字に陥っており、コンサルタント会社 ペトロマトリックスは生産能力をフル稼働する計画は「戦略的に誤り」 だと指摘している。

原油価格は14日のニューヨーク市場で1バレル=40ドル近辺に下落 した。OPECは米シェールオイルの生産者を中心にライバルの採算を 圧迫する方針を打ち出したが、それから約9カ月たっても世界的な供給 過剰が続いている。

サウジなどOPECの主要国の財政は急激に悪化している。RBC のアナリストであるクリストファー・ルーニー氏とヘリマ・クロフト氏 は、抗議行動や生活必需品の不足に見舞われるベネズエラについて、 「近い将来危機に直面することになりそうだ」との見方を示した。

RBCによると、ナイジェリアではブハリ新大統領が改革を約束 し、時間稼ぎを行う状態だが、猶予期間はいつまでも続かない。通貨ナ イラは今年に入って対ドルで7.8%下落し、中央銀行が設定する目標の 上限を超える水準にインフレ率を押し上げている。

リビアはさらなる政治的混乱のリスクが最も高い加盟国の1つであ り、リスクの大きさはイラクに匹敵するとRBCは分析する。指導者の 移行期が迫るアルジェリアでも脅威は増しており、同国はOPEC緊急 会合開催の可能性に先週言及した。リビアとアルジェリアはいずれも10 年余りにわたり経常黒字を維持してきたが、昨年は赤字に転落した。

原題:OPEC’s ‘Fragile Five’ Face Rising Cost of Fight for Market Share(抜粋)