貿易収支4カ月連続赤字、7月速報-中国経済減速響き輸出低迷

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輸出から輸入を差し引いた7月の貿易収支速 報は4カ月連続の赤字となった。回復している欧米向けとは対照的に、 中国経済の減速を背景にアジア向けの輸出が伸び悩んだのが主因。

財務省が19日発表した貿易統計によると、貿易収支は2681億円の赤 字。前年同月比では72.3%縮小した。ブルームバーグのエコノミスト調 査による予想中央値は530億円の赤字だった。輸出は前年比7.6%増の6 兆6638億円、輸入は同3.2%減の6兆9318億円だった。

輸出は自動車や半導体等電子部品を中心に11カ月連続で増加基調が 続いている。中でも自動車や医薬品が好調な対米と対欧州連合(EU) はそれぞれ18.8%増、10%増と2カ月連続で2けた台の伸びを示した。

一方で、中国向けの伸びは4.2%増にとどまった。携帯電話の部品 など通信機の輸出は増加傾向にあるものの、自動車輸出の減速などが足 元の伸びを抑えている。対中国輸出の数量指数は1.3%減と2月以降、 6カ月連続でマイナスが続いている。対世界の数量指数も0.7%減と2 カ月ぶりに減少した。

輸入は7カ月連続で減少した。原油価格の下落を背景に原粗油や液 化天然ガスの減少が続く一方で、中国からの通信機の輸入が92.8%増と 大幅に増えた。中国からの輸入額は7月としては1979年以来過去最大。 昨年9月の「i Phone(アイフォーン)6」販売前の在庫調整で 前年に通信機の輸入が大幅に落ち込んだ反動で増加した。

中国の7月の工業生産と投資、小売売上高の伸びは全て市場予想を 下回った。輸出の減少と並び、李克強首相が掲げる7%前後の2015年成 長率目標に対して新たなリスクとなっている。中国は先週、人民元の基 準値を切り下げ、輸出に有利となる元安方向に相場を誘導する姿勢を示 し、減速する景気のてこ入れを図った。

大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストはリポートで、「海外需要 の停滞が継続していることを確認する内容」と指摘。ただ、「モメンタ ムは最悪期を脱しており、底入れの兆しが出始めている」とみている。

内閣府が16日に発表した今年4-6月期の実質国内総生産 (GDP)速報値は個人消費と輸出の低迷を主因に前期比年率で1.6% 減、前期比0.4%減と3期ぶりのマイナス成長となった。