8月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:市場の関心は世界成長にシフト、米利上げ織り込み済み

市場では来月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げがかな り織り込まれており、外為トレーダーの関心はすでに世界の成長減速と いうより厳しい問題に移っている。

月間ベースで特に下げが大きいのはシンガポール・ドルと台湾ド ル、南アフリカ・ランドだ。中国の需要減退に影響された。

アマースト・ピアポント・セキュリティーズ(コネティカット州ス タンフォード)のストラテジスト、ロバート・シンチ氏は「米金融当局 が利上げしても、それほど大きな反応はないだろう。既にかなり織り込 まれているからだ」と述べ、「だからこそ外為市場の実質的な材料はこ の世界経済成長に対する不透明感だ」と続けた。

シンガポール・ドルは月初来、米ドルに対して2.4%下落。台湾ド ルは同2.3%安となっている。南アフリカ・ランドとメキシコ・ペソ は1.9%下落した。

18日のニューヨーク外国為替市場ではノルウェー・クローネと豪ド ルが下落。豪ドルは主要16通貨のうち15通貨に対して下げた。

オーストラリア準備銀行

オーストラリア準備銀行が公表した今月4日の政策決定会合の議事 録で、経済成長を支援するため緩和策が依然として適切だと指摘され た。

ナショナルオーストラリア銀行(NAB)の外国為替ストラテジス ト、ギャビン・フレンド氏(ロンドン在勤)は豪ドルの先行きについ て、「当社はまだ下げると予想している。特に中国の動向や今も続く交 易条件の悪化を考えるとなおさらだ」と述べた。

フレンド氏は豪ドルは年末までに対米ドルで70セント、2016年第1 四半期には68セントに下げると予想している。18日は1豪ドル=73.32 セントとなっている。

豪準備銀行の議事録では通貨下落が鉱業への投資主導型経済からの シフトを後押ししているとの認識が示された。同国の政策金利は過去3 カ月間、2%で据え置かれている。

原題:Currency Traders Are Over the Fed Before Rate Rises Even Start(抜粋)

◎米国株:下落、資源安で途上国めぐる懸念広がる-住宅着工は堅調

18日の米株式相場は下落。朝方発表された住宅着工件数は明るい内 容だったが、資源価格の下落が進む中で、中国など途上国の成長減速を めぐる懸念が広がった。

フリーポート・マクモランが安い。銅相場の値下がりを受けた。ウ ォルマート・ストアーズも下落。通期の利益予想の下方修正が嫌気され た。ホーム・デポは上昇。通期利益見通しの上方修正を好感した。住宅 建設株は続伸。レナーやトール・ブラザーズの上げが目立った。

S&P500種株価指数は前日比0.3%安の2096.92。ダウ工業株30種 平均は0.2%安の17511.34ドル。

マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツ(ペンシルベニア州 ベスレヘム)の最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「中国 の動向がニュースの中心となっており、個人消費をめぐる懸念も見られ る」と、「こうした経済情勢や企業決算が安定するまで、株式相場は行 きつ戻りつの展開が続くだろう」と述べた。

商品市場では銅相場が下げを主導。世界的な燃料の供給過剰が根強 く続き、中国経済にはさらなる向かい風が吹くとの観測が背景にある。 中国は1週間前、1994年以降では初めてとなる人民元の切り下げを実施 して世界の投資家を驚かせ、中国当局が経済減速への対応に苦慮してい るとの懸念を高めた。

利上げ見通し

米連邦準備制度理事会(FRB)は19日に連邦公開市場委員会 (FOMC、7月28-29日開催)の議事録を公表する。ブルームバーグ がまとめた先物取引のデータによれば、市場に織り込まれている9月会 合での利上げ確率は約48%、先週の約50%から低下している。

S&P500種の取引レンジは過去90年間で最小となっており、過 去100日間の平均近くで推移している。

ジャニー・キャピタル・マネジメントのチーフ投資ストラテジス ト、マーク・ルッシニ氏は「今の相場にはどちらの方向にも明確なけん 引力はない」とし、「市場との距離感が感じられ、なかなか投資しづら い雰囲気になっている。同時に十分な売り圧力も起きていない。経済の 力強さと利益の伸びはまずまずだと市場は考えているためだ」と続け た。

S&P500種は前日0.5%上昇。ニューヨーク連銀地区の8月の製造 業景況指数は低調だったものの、その後発表された住宅市場指数が上昇 し、相場が反転した。

この日発表された7月の米住宅着工件数は、ほぼ8年ぶり高水準に 増加。S&P500種の住宅建設株指数は2.1%上昇した。

ホーム・デポは2.6%上昇し、上場来最高値。一方でウォルマート は5月以降で最大の下げ。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 ( VIX)は5.9%上昇して13.79。

S&P500種の業種別10指数では8指数が下落。情報技術や素材株 の指数の下げが目立った。

原題:U.S. Stocks Drop as Commodities Slump Overshadows Housing Data(抜粋)

◎米国債:小反落、住宅着工件数の増加で年内の利上げ観測強まる

18日の米国債相場は小反落。7月の米住宅着工件数がほぼ8年ぶり の水準に増加したことが明らかになり、長期債を中心に売りが優勢にな った。

景気の強まりを示す指標を受けて年内の利上げ観測が強まり、利回 りは上昇した。金利先物市場の動向が示す9月の利上げ確率は50%未満 となっている。

FTNファイナンシャルの金利ストラテジスト、ジム・ボーゲル氏 は「米金融当局が考慮する要因の一つであることは確かだ。家計の信頼 感に一定の広がりがあることを示しているため当局にとっては重要だ」 と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは約2ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の2.19%。同年債(表面利率2%、償還2025年8月)は 前日比約1/4下げて98 9/32。

30年債利回りは約4bp上昇の2.86%。4月以降の最小近くだった 2年債への上乗せ利回りは拡大し、2.1ポイント前後なった。過去1カ 月はインフレ期待の弱まりから長期債の需要が弱り、縮小傾向にある。

利上げ確率

利上げ開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平均 で0.375%と仮定すると、9月16-17日の米連邦公開市場委員会 (FOMC)で利上げが決定される確率は48%として金利先物市場に反 映されている。FF金利誘導目標は2008年12月以来、0-0.25%のレン ジで維持されている。

商務省が発表した7月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、 以下同じ)は、前月比0.2%増の121万戸。これは景気後退入り2カ月前 の2007年10月以来の高水準。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予 想の中央値は118万戸だった。

原題:Treasuries Fall as Housing Data Add to Signs of Economic Gains(抜粋)

◎NY金:小幅反落、米住宅着工件数の増加で利上げへの警戒再燃

18日のニューヨーク金先物相場は小幅反落。米住宅着工件数の増加 を背景に、来月の利上げが正当化されるとの見方が広がった。金は過去 4営業日で3日目の下落。

ヘレウス・メタルズ・ニューヨークのセールス・マーケティング・ マネジャー、ミゲル・ペレスサンタラ氏は電話インタビューで、「金は 引き続き米国の指標に反応するだろう。きょうの住宅の数字はドルを押 し上げ、金を押し下げた」と指摘。「9月利上げへの警戒が残っている ため、金への圧迫は続くだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.1%安の1オンス=1116.90ドルで終了。

銀先物9月限は3.3%下げて14.79ドル。プラチナ先物10月限 は0.7%下落の994.10ドル。パラジウム先物9月限は2.7%安の597ド ル。

原題:Gold Declines as U.S. Housing Starts Rekindle Rate Concern (抜粋)

◎NY原油:反発、米在庫が4週連続で減少したとの観測で

18日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は反発。米エネルギー情報局(EIA)が19日 に発表する週間在庫統計で、米国内の原油在庫が4週連続で減少したこ とが示されるとの観測が広がった。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニア市場アナ リスト、フィル・フリン氏は電話取材に対し、「市場は在庫統計と20日 の9月限最終取引に注目している」と指摘。「在庫は再び取り崩されて いるだろう」と予想した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比75セント(1.79%)高い1バレル=42.62ドルで終了。

原題:Oil Rises on Expectation U.S. Stockpiles Dropped for Fourth Week(抜粋)

◎欧州株:続伸、米景気の勢い増す兆候で-ヘルスケア銘柄に買い

18日の欧州株式相場は上昇。前週に週間ベースで約1カ月ぶりの大 幅安となった指標のストックス欧州600指数はこの日もプラスとなっ た。米経済が勢いを増しつつある兆候が手掛かり。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%高の388.13で取引を終了。7 月の米住宅着工件数がほぼ8年ぶり高水準に増加したことを受け、同指 数は上げ幅を拡大した。ヘルスケア銘柄の上げが目立った。デンマーク のノボ・ノルディスクとアイルランドのシャイアーはともに約1.6%値 上り。

中国が先週に人民元を実質切り下げて以降、それが商品や自動車な どモノの需要に与える影響が懸念され、ストックス600指数は2.9%下げ ている。

CMCマーケッツ(ロンドン)の市場アナリスト、ジャスパー・ロ ーラー氏は「大きく下げた後、割安株はないか探し始めると、最もディ フェンシブなのはヘルスケア銘柄だ」と発言。一方で「商品株は連日下 げている」と付け加えた。

石油・ガス銘柄の下落率は業種別19指数の中で最悪。英豪系BHP ビリトンと英アングロ・アメリカンを中心に鉱山株も売られた。

この日の西欧市場では、ドイツのDAX指数が0.2%下落。元切り 下げの影響を大きく受け、過去最高値からの下落率は12%に達し た。200日平均を下回ったのは、ここ5日間で4回目となっている。

原題:European Stocks Rise for Second Day After China-Fueled Selloff(抜粋)

◎欧州債:総じて下落、米英経済指標が予想上回る-安全需要後退

18日の欧州債市場ではユーロ参加国の国債が総じて下げ、ドイツの ほか、イタリアやスペインの国債も売られた。英国と米国の指標がいず れも景気上向きの兆候を示し、債券需要を抑えた。

欧州債の指標とされるドイツ国債利回りは上昇。英国で7月のコア インフレ率が5カ月ぶり高水準に達し、インフレ率が予想に反して上昇 したことが影響した。7月の米住宅着工件数が約8年ぶり高水準に増加 したとの発表も、国債相場へのさらなる重しとなった。これでユーロ圏 の国債は、中国株安を手掛かりにした一時の上げを消した。

ソシエテ・ジェネラルのグローバル金利・外為戦略責任者、バンサ ン・シェニョー氏は、欧州債相場の押し下げに「予想を上回る英インフ レ率が大きな役割を果した」と発言。「中国株への圧力が再び高まった ことで欧州債は寄り付きは強気だったが、英インフレ統計でムードが一 転した」と続け、米住宅指標も利回り押し上げ要因だったと付け加え た。

ロンドン時間午後5時現在、ドイツ10年債利回りは前日比2ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.64%。同国債(表面利率 1%、2025年8月償還)価格は0.15下げ103.45。

同年限のスペイン国債利回りは6bp上昇し2%、イタリア国債利 回りは5bp上げ1.81%となった。

原題:European Bonds Decline After Global Economic Data Beat Forecasts(抜粋)