ドルは124円前半、中国懸念で上値重い-FOMC議事録注視

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東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル =124円台前半で上値の重い展開。中国経済への懸念を背景にリスク回 避の動きが強まる中、円買いがやや優勢となった。

19日午後4時6分現在のドル・円相場は124円28銭前後。一時は124 円22銭まで水準を切り下げる場面が見られた。もっとも、海外時間に米 連邦公開市場委員会(FOMC)議事録と米消費者物価指数(CPI) の発表を控えて、日中の値幅は21銭にとどまった。

外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、中国株安でリス クオフの様相だが、ドル・円に関しては「アジア通貨安はイコールドル 高でもあるし、リスクオフで円買い一辺倒というわけにもいかない」と 解説。「先進国通貨が強くて、新興国通貨が弱いという中で、先進国通 貨間の力関係は微妙なバランスになっている」と語った。

この日は中国経済の先行き懸念からニュージーランド・ドルやオー ストラリア・ドルなどの資源国通貨や台湾ドルなどのアジア通貨が下 落。一方、円やドルといった先進国通貨が買われ、特にユーロの堅調さ が目立っている。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で1ユーロ=1.1017ドルと1週 間ぶりのユーロ安・ドル高水準を付けたが、この日の東京市場では一 時1.1072ドルまでユーロ買いが進行。ユーロ・円相場も前日の海外時間 で付けた1週間ぶりユーロ安値(1ユーロ=137円06銭)付近から一 時137円62銭まで値を戻した。

上海株は一時5%安

19日の中国株式相場は売りが先行。政府が株式市場への支援を減ら し、人民元下落で資本流出が加速するとの懸念が広がり、上海総合指数 は一時5%安まで下げ幅を拡大した。ただ、午後に入ると急速に下げ渋 り、プラスに転じて終了した。東京株式相場は続落。日経平均株価 は300円を超える下げとなった。

あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、「昨日中国株が下げた ことはリスク要因と見られ、注目材料。きょうも下げるようだと、ド ル・円の重しとなり、円買い要因になる可能性もある」と話していた。

朝方発表された日本の7月の貿易収支は4カ月連続の赤字となり、 赤字額は2681億円とブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想 中央値(530億円)を大幅に上回った。中国経済の減速を背景に、アジ ア向けの輸出が全体的に伸び悩んだ。

一方、ベトナム国家銀行(中央銀行)はこの日、通貨ドンを対ドル で1%切り下げ、ドンの許容変動幅も中心レートの上下3%に広げたと 発表した。ドン切り下げは今年3度目。今月12日には中国人民元切り下 げを受け、ドンの許容変動幅を従来の1%から2%に拡大していた。

外為どっとコム総研の神田氏は、ドン切り下げのニュースもリスク 回避に拍車を掛けたと指摘。ただ、海外時間に米国イベントを控えてい ることもあり、「ドル・円、ユーロ・ドルに関してはちょっと動きづら いところがある」と説明した。

米利上げ時期

ブルームバーグの調査によると、7月の米CPIは前月比0.2%上 昇が見込まれている。6月は同0.3%上昇だった。

この日議事録が公表される7月28、29日開催のFOMCの声明で は、利上げ開始の条件として挙げている労働市場のさらなる改善の説明 に「幾分か」という1語が追加され、年内の利上げ開始を引き続き検討 していることが示唆された。

ブルームバーグがまとめた先物取引のデータによれば、市場に織り 込まれている9月会合での利上げ確率は18日時点で48%となっている

神田氏は、同会合後のFOMCメンバーの発言を聞く限り、「大幅 な慎重派はかなり減っている印象が強い」と言い、議事録も「9月利上 げに決め打ちしてくることはまず考えられないが、比較的早期の利上げ が必要だというニュアンスを強める内容になりやすい」と予想。「利上 げ方向ならドル高だし、利上げ先送り方向ならドル安と素直に反応する ことになると思う」と語った。

--取材協力:大塚美佳、池田祐美.

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