中国、成長目標達成に追加刺激策必要か-地方は二重苦に直面

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中国の経済活性化に向けた取り組みは地方政 府債務や土地売却の不振の影響で難航していることから、政策当局には 新たな刺激策を求める圧力が強まっている。

先週の人民元切り下げは海外市場に波紋を広げ、国内の税収は伸び 悩んでおり、李克強首相は7%前後の今年の経済成長率目標を確実に達 成するためさらに方策を模索する必要がある。

JPモルガン・チェースによれば、地方政府だけでも今年は約1兆 元(約19兆円)の債務返済負担を抱えている。政府によると、1-7月 期の土地売却収入は前年同期比で9540億元の落ち込み。1-7月の歳入 の伸びは5.4%と、前年同期の8.5%から鈍化している。

米財務省で中国問題を担当した経験があり、現在は資産運用会社 TCWグループのアナリストを務めるデービッド・ロービンガー氏は 「地方政府は利払いの増加と土地売却収入の減少という二重苦に直面し ている」と指摘。財政面からの景気への重しに加え、信用拡大ペースの 鈍化が続いていることが「元安を容認した一因だ」と述べた。

JPモルガンの中国担当チーフエコノミスト、朱海斌氏(香港在 勤)によると、中国が2015年の成長率目標の達成を確保するには、国営 開発銀行などを通じて新たに3000億-4000億元を投入する必要があると いう。

元切り下げも力不足

それに加え、中国は株式市場の過剰なボラティリティ(変動性)を 抑制する取り組みも進めているが、市場の売り圧力は続いている。中国 株は18日に大幅安となり、上海総合指数は6.2%下落した。

地方当局の資金調達難の深刻さは特に北東部の遼寧省で顕著だ。同 省は1-6月(上期)の歳入が23%減少し、今月は表面利率を同年限の ソブリン債より15%高くしても起債できなかった。

米カリフォルニア大学サンディエゴ校のビクター・シー(史宗瀚) 教授は「土地売却が一握りの都市を除いて減少しているため、多くの地 方政府は債務返済で問題を抱え、新たな建設プロジェクトどころではな い」と指摘。中央政府は高金利の地方債務を償還期間が長めの低コスト の債券と交換するプログラムを導入しているものの、このイニシアチブ が全ての地域の役に立つわけではなく「主に地方の中心都市には好都合 だが、比較的小規模の都市は深刻な財政難に陥ったままだろう」と述べ た。

また、市場の力により大きな役割を与える広範な取り組みの一環と して今月行った元の実質的切り下げも、経済成長への効果は限定される 可能性がある。JPモルガンの朱氏によると、3-4%の元相場下落は 輸出セクターへの圧力緩和に寄与するが、経済のその他の足かせを相殺 するには力不足だという。

UBSグループの中国エコノミスト、汪涛氏(香港在勤)は、不動 産市場の不振とそれに伴う産業や鉱業への余波が今年の国内総生産 (GDP)伸び率を約1.5ポイント押し下げると試算する。

原題:China Stimulus Is Tough to Take Off in Land of Challenges (1)(抜粋)

--取材協力:Xiaoqing Pi、Xin Zhou.

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