中国、人民元弾力化でマンデル氏の「トリレンマ」の呪縛解く

人民元の相場決定で市場の役割拡大を先週容 認した中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁。「独立した金融政策」 「固定相場制」「自由な資本移動」の3つの政策を同時に実現すること はできないとしたノーベル経済学賞受賞の経済学者、ロバート・マンデ ル氏の学説を肯定した上での決断だった。

この国際金融のトリレンマを実証したのが1990年代のアジアでの経 験だ。一部の国々では、自国通貨のペッグ制と高金利、自由な資本移動 によって海外から多額の投資資金が流入したものの、貿易収支の悪化に 伴いその流れはすぐに逆転し、97-98年のアジア通貨危機を引き起こし た。マンデル氏の根本原則に逆らったためだ。

今回の人民銀による予想外の措置は総じて輸出促進と、国際通貨基 金(IMF)の特別引き出し権(SDR)構成通貨への人民元採用を目 指した動きと解釈されている。

だが、「不可能の三角形」とも呼ばれる国際金融政策のトリレンマ を考慮すれば3つ目の動機が浮かび上がる。それは資本勘定の自由化を 進めるとともに、より柔軟な金融政策を望むには一段と自由に変動する 相場制度が必要になるということだった。

北京にある中央財経大学外貨準備研究センターの責任者、李傑氏は 「人民銀の優先課題が変化しつつある」と指摘。「為替相場の自由化に 動くことで、国内の金融政策の独立性に重点を置き、資本移動の自由化 に向けた道を開きつつある」との見方を示した。

原題:‘Impossible Trinity’ at End in China as PBOC Allows Freer Yuan(抜粋)