世界経済、危機前の成長ペースに当分戻らず-ムーディーズ

米格付け会社ムーディーズ・インベスター ズ・サービスは近い将来に世界経済の成長ペースが金融危機前の水準に 戻ることはないとの見通しを明らかにした。

ムーディーズは18日に公表した最新の経済見通しで、20カ国・地域 (G20)全体の国内総生産(GDP)伸び率が5年以内に2008年以前の 水準まで回復することはないと予想。15-19年のG20のGDP伸び率は 平均3%と、07年までの10年間の平均を約0.5ポイント下回ると予測し た。

ムーディーズは世界の成長圧迫要因として、金融危機の根強い影響 が生産性の伸びを抑制していることや、中国の成長減速、人口統計や貿 易動向を挙げた。米国の今年のGDP見通しについては4-6月(第2 四半期)の回復が予想を下回ったため従来の2.8%増から2.4%増に下方 修正したが、G20全体の今年の予想は2.7%増に据え置いた。米国の成 長率は16年に2.8%に加速すると予想している。

同報告書はまた、中国の資産価格が大幅かつ持続的に下落すること や、ギリシャのユーロ離脱が世界経済のリスクだと指摘。「米国の景気 回復や米国ほど顕著ではないがユーロ圏と日本の回復は、現在も続く中 国の成長減速」と中南米の低成長ないし減速などで相殺されると分析し た。同報告書はシニアバイスプレジデントのマリー・ディロン氏らアナ リストがまとめた。

ムーディーズは米国が年内に利上げを開始するが、前回の引き締め 局面よりも緩やかなペースになると指摘。

中国のGDP伸び率については今年が6.8%、来年が6.5%と し、2010年代の終わりまでに6%前後に鈍化すると予測。中国の成長支 援策の範囲と規模が予想を上回ったことから、同国経済の弱さが浮き彫 りになったと説明した。

最近の人民元切り下げについては、経済成長への多大な影響は現在 のところ予想されないと分析。ただ同国経済への懸念は強まったと指摘 した。

原題:G-20 Growth Won’t Hit Pre-Crisis Pace Anytime Soon, Moody’s Says(抜粋)

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