8月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

更新日時

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが対ユーロで値動き停滞、緩慢な米利上げペース観測

ニューヨーク外国為替市場では対ユーロでのドルの値動きが停滞 し、投資家にとってはありがたくない展開が続いている。

ドルは6月後半からユーロに対して、短期・中期的平均値である1 ユーロ=1.10ドル付近で推移している。中国の景気減速や商品の値下が りで、ドルは今四半期は主要通貨に対して上昇しているものの、ユーロ に対する値動きは小幅にとどまっている。欧州に成長の兆しが見られる 一方で、米金融当局は利上げに時間をかけるとの見方が背景だ。

ドイツ銀行のストラテジスト、ダニエル・ブレホン氏(ニューヨー ク在勤)は「当社の見通しでは9月に利上げがある。だが非常に緩やか な利上げペースとなり、次の引き上げまで6カ月間は様子見の展開にな るとみている」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロで0.3%上げて1 ユーロ=1.1078ドル。対円ではほぼ変わらずの1ドル=124円39銭。ブ ルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇して1210.39。

ユーロは50日および100日移動平均付近で推移している。水準はそ れぞれ1.1087ドルと1.1044ドル。コメルツ銀のまとめたデータによる と、1ユーロ=1.10ドルでの買い・売り注文の密度はほぼ等しい。

欧州の貿易収支

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が17日発表したユーロ 圏の貿易収支によると、6月は219億ユーロの黒字だった。

ブルームバーグのデータによれば、利上げ後に実効フェデラルファ ンド(FF)金利が平均0.375%になるとの仮定に基づけば、9月会合 での利上げ確率は48%とFF金利先物市場に反映されている。7日に は54%だった。

米資産運用会社ルーミス・セイレスのダン・ファス氏はドル指数が 年初から7%上昇しているものの、ドルの強気派には転じていない。

米ドルがカナダ・ドル、ニュージーランド(NZ)ドル、オースト ラリア・ドルなどに対して上昇していることで、同氏の「ルーミス・セ イレス・ボンド・ファンド」の今年の運用成績はこのままだと、2008年 以来最悪となりそうだ。

ファス氏はボストンのオフィスから電話取材に答え、「上昇が続い ていても、全く新しいパラダイムが存在しない限り、最終的には上昇の 動きは止まる」と述べた。

原題:World’s Biggest Currency Trade Is Stuck in a Fed-Induced Rut(抜粋)

◎米国株:上昇、指標受け住宅建設銘柄が高い-議事録控え商いは低調

17日の米株式相場は上昇。19日の米連邦公開市場委員会 (FOMC)議事録公表を控えて薄商いとなる中、住宅建設銘柄を中心 に買い進まれた。

S&P500種株価指数は前週末比0.5%高の2102.44。ダウ工業株30 種平均は0.4%上げて17545.18ドル。米証券取引所全体の出来高は約55 億株と、3カ月平均を15%下回った。

コニファー・セキュリティーズ(ニューヨーク)の株式取引ディレ クター、リック・フィア氏は「先週は12日にポジションをショートから ロングに変える動きが広がり、流れが反転しつつあると感じた」とし、 「市場では上昇を見込んだポジションが組まれている」と続けた。

S&P500種は先週0.7%上昇し、取引レンジは引き続き過去90年間 で最小となっている。中国による人民元切り下げを受けて同指数は12 日、一時年初来の上げを消す場面があった。

人民元切り下げの動きは新興国通貨に打撃を与え、原油・銅など商 品相場も押し下げたが、そうした中でも米国株は6年半に及ぶ強気相場 の底堅さを示した。

米経済指標

中国をめぐる懸念が和らぐにつれ、市場では再び米経済の力強さや 米金融政策に注目が集まりつつある。

米株式相場は朝方は下落した。ニューヨーク連銀地区の8月の製造 業景況指数がリセッション(景気後退)以来の深い落ち込みとなったこ とが嫌気された。ただその後発表された8月の米住宅市場指数がほぼ10 年ぶりの高水準に上昇したことで、相場は上げに転じた。

ロバート・W・ベアードの機関投資家担当株式セールス・トレーダ ー兼マネジングディレクター、マイケル・アントネッリ氏は「きょうは 静かな日だ」とした上で、「相場は行き詰まり状態にある。金融当局か ら何らかの手掛かりが得られるまでこの水準を突破することはないだろ う」と述べた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は19日にFOMC会合(7月28 -29日開催)の議事録を公表する。ブルームバーグがまとめた先物取引 のデータによれば、9月会合での利上げ確率は46%と、11日の40%から 上昇している。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 ( VIX)は1.5%上昇し13.02。

住宅建設株が上昇

S&P500種の業種別10指数では9指数が上昇。ヘルスケアや一般 消費財関連銘柄の指数が特に大きく上げた。唯一下げたのはエネルギー 株の指数だった。原油相場の値下がりが手掛かり。

S&P500種の住宅建設株指数は2.1%高。トップビルドやKBホー ムが高い。

全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが発表 した8月の米住宅市場指数は61と、前月の60から上昇し、2005年11月以 来の高い水準となった。同指数で50を上回ると住宅建設業者の多くが現 況を「良い」とみていることを示す。

原題:U.S. Stocks Advance as Homebuilders Rally Amid Economic Reports(抜粋)

◎米国債:4日ぶりに上昇、商品相場下落でインフレ見通し弱まる

17日の米国債相場は4営業日ぶりに上昇。商品相場の下落を受け て、インフレ見通しが弱まり、債券需要が高まった。

8月のニューヨーク連銀地区の製造業景況指数がリセッション(景 気後退)以来の深い落ち込みになると、国債は上げ幅を拡大した。ブル ームバーグの商品指数は2002年前半以来の水準に低下し、インフレ期待 を押し下げた。

RBSセキュリティーズの米国債ストラテジスト、エドワード・ア クトン氏は「利回りの低下トレンドは続いている。主因は商品相場だ」 と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後4時59分現在、10年債利回りは3ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の2.17%。利回りは前週末までの3営業日で6bp上昇 していた。同年債(表面利率2%、償還2025年8月)は前営業日比1/4 高の98 1/2。

ニューヨーク連銀が発表した8月の同地区の製造業景況指数はマイ ナス14.9と、2009年4月以来の最低。前月はプラス3.9だった。同指数 はゼロが景況の拡大と縮小の境目を示す。

ブルームバーグ商品指数は5営業日連続で低下し、この日は0.4% 下げた。

インフレ期待

インフレ期待が弱まっており、2年債と10年債の利回り差は過去1 カ月、縮小傾向にある。この日は146bp。年初来で最大は7月13日 の178bpだった。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「景 気の弱さが基本的な材料だ。世界中の債券市場で自然に買いが入ってい る」と語った。

利上げ開始後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平均 で0.375%と仮定すると、9月16-17日の米連邦公開市場委員会 (FOMC)で利上げが決定される確率は48%として金利先物市場に反 映されている。

今週はミネアポリス連銀のコチャラコタ総裁とサンフランシスコ連 銀のウィリアムズ総裁が講演する予定。19日には7月28-29日開催の FOMC議事録が公表される。同日朝には消費者物価指数(CPI)も 発表される。

原題:Treasuries Gain as Drop in Commodities Damps Inflation Outlook(抜粋)

◎NY金:3日ぶり上昇、米景気減速の兆しで利上げ警戒弱まる

17日のニューヨーク金先物相場は3営業日ぶりに上昇。ニューヨー ク連銀地区の製造業景況指数がリセッション(景気後退)以来の深い落 ち込みとなったことから、来月に利上げを実施する根拠が弱まるとの見 方が広がった。

RBCキャピタル・マーケッツの世界先物担当バイスプレジデン ト、ジョージ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は「米国で弱い指標が発表 されるたびに、利上げ後ずれ観測がささやかれる」と指摘。「中国を理 由に安全逃避の買いも入っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前週末比0.5%高の1オンス=1118.40ドルで終了。

銀先物9月限は0.6%上げて15.298ドル。プラチナも上昇。パラジ ウムは下落した。

原題:Gold Advances as Signs of Slow U.S. Growth Ease Fed-Rate Concern(抜粋)

◎NY原油:反落、42ドル割れで終了-供給超過の悪化を警戒

17日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は反落。2009年3月以来の安値。米景気減速に 伴い原油需要が落ち込むとの見方が広がった。イランは制裁解除後の石 油輸出国機構(OPEC)輸出量が、過去最高に達する可能性があると 述べた。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マ サチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は電話取 材に対し、「経済には需要拡大につながるような材料は一切見当たらな い」と指摘。「イランが輸出を再開すれば供給超過は一段と悪化するだ ろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前週 末比63セント(1.48%)安い1バレル=41.87ドルで終了。年初から は21%の値下がり。

原題:Oil Drops to Six-Year Low as Resilient Crude Output Adds to Glut(抜粋)

◎欧州株:ストックス600が上昇、もみ合う展開-独DAX指数は下落

17日の欧州株式相場はもみ合う展開となった後、プラス圏で終了し た。ドイツ株は下げ幅を縮小したものの、マイナス圏で終わった。

指標のストックス欧州600指数は前週末比0.3%高の387.26で引け た。ニューヨーク連銀が同日発表した8月の同地区の製造業景況指数が 予想に反して大幅に悪化したことを受け、一時は0.6%下げた。この日 の出来高が30日平均を3分の1下回ったことも、ボラティリティを高め る要因となった可能性がある。

インベステック・ウェルス・アンド・インベストメントの調査責任 者、ジョン・へインズ氏は「米経済データが期待をやや下回り、米国が 世界経済をひっぱっていくほど十分に強いのか懸念する見方が強まっ た」とし、「変動は続くだろうが、あまり素晴らしいとは言えない現在 の経済局面を米国はうまく切り抜けるだろう」と語った。

ストックス600指数の寄り付きは堅調で、自動車株を中心とした買 いで一時1.1%高となった。独DAX指数は0.4%安で終了。1.5%下げ る場面もあった。

一方、ギリシャのアテネ総合指数は1%高と、上昇率は西欧市場の 主要株価指数の中で首位。ドイツのメルケル首相が第3次ギリシャ支援 に国際通貨基金(IMF)が加わると確信していると述べるとともに、 債務救済の検討へ前向きの姿勢を示したことが手掛かり。

欧州の個別銘柄では、フランスのエンジニアリング企業アルストム が7.2%の大幅高。仏銀クレディ・アグリコルは2.1%上昇。スウェーデ ンの衣料小売り、ヘネス&マウリッツ(H&M)は2%値上がりした。

原題:European Stocks Close Higher, While Germany’s DAX Index Declines(抜粋)

◎欧州債:軒並み上昇、独首相がギリシャ債務救済検討に前向き姿勢

17日の欧州債市場では、イタリアとスペインを中心にユーロ参加国 の国債が上昇した。ギリシャ救済をめぐる楽観が高まったほか、商品安 も周辺国債の需要増加につながった。

ドイツのメルケル首相は16日、第3次ギリシャ支援に国際通貨基金 (IMF)が加わるのを確実にするため債務救済の検討に前向きな姿勢 を示した。ギリシャの債務返済能力への懸念が和らぎ、同国債も上昇。 周辺国債はいわゆる中核国の国債パフォーマンスを上回った。ブルーム バーグ商品指数はこの日、約13年ぶり低水準に下がった。

DZバンク(フランクフルト)の主席市場ストラテジスト、ダニエ ル・レンツ氏は「IMFの関与を望むとメルケル独首相が発言した」と 指摘。これで独政権は「ギリシャに何らかの債務救済が必要であること を受け入れなければならないし、ある意味で融資条件の緩和に間違いな くつながるだろう」とし、これが欧州債の支援要因だと説明した。

ロンドン時間午後4時50分現在、イタリア10年債利回りは前週末比 6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.76%。同国債 (表面利率1.5%、2025年6月償還)価格は0.495上げ97.755。同年限の スペイン国債利回りは8bp低下し1.94%。

ギリシャ10年債利回りは46bp下げ9.09%。2月以降で初めて9% の水準を割り込む場面もあった。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは3bp下げて0.63%と なった。

原題:European Bonds Advance as Merkel Says Greek Debt Relief Possible(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE