グロース氏が見つけた世紀の空売り遂行の戦略-オプション活用

米ジャナス・キャピタル・グループ(本社コ ロラド州デンバー)で資金運用を担当するビル・グロース氏は、「世紀 の空売り」と自ら呼んだ取引を実行する方法をようやく見つけたよう だ。

ドイツ国債と中国株が下落に向かうと今年に入って正確に予測して いたグロース氏だが、いずれも相場が下げる方向に直接賭ける投資は行 わず、同氏の予想を上回るペースで債券相場が下落した4月後半と5月 には、債券ファンド「ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ ボンド・ファンド」のリターンがそのために圧迫された。

「債券王」として知られるグロース氏はその後戦略を調整し、損失 の一部を取り戻した。同氏は中国株の下げに伴いボラティリティの拡大 が見込まれるドイツ国債と米株を空売りしており、ジャナスのウェブサ イトに掲載された資料によれば、株式の下げを見込む投資は6月末時点 でジャナス・グローバルの運用資産の約10%に相当する。

ジャナスのウェブサイトによると、ジャナス・グローバルは6月末 時点で調整後の額面価格が運用資産の約9.5%に相当するS&P500種株 価指数のプットオプション(売る権利)を売り、一方でS&P500種株 価指数先物9月限で構成するショートポジション(売り持ち、純資産 の9.46%に相当)を保有している。

理論的には適切

オプション戦略を専門とする投資顧問イェディド・キャピタル・マ ネジメントのマネジングディレクター、エイブラハム・グッドフレンド 氏はグロース氏の戦略について、「市場で予想外の動きが起きても無一 文にならないようリスクヘッジの十分な備えができれば、理論的には適 切と思われる」と分析。ただ、流動的な部分も多く、デリバティブ(金 融派生商品)価額の正確な計算や適切なタイミングと同時に取引の「高 度な遂行」が求められると指摘した。

ジャナス・グローバルの最新月のリターンはプラス0.8%と、ブル ームバーグがフォローする41のアンコンストレインド・ボンド・ファン ドで首位となった。年初来のリターンもプラス1.6%と、同種のファン ドの上位10%に入る好成績を残した。

ジャナス・キャピタルの広報担当エリン・フリーマン氏は、コメン トを控えている。

原題:Gross’s Janus Fund Rises After He Tweaks ‘Shorts of a Lifetime’(抜粋)

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