生産・輸入再開に不透明感、トヨタなど自動車産業-天津の爆発事故で

中国天津市で発生した爆発事故は収束のめど が立っておらず、日本の自動車メーカーの現地生産や輸入再開の見通し は不透明な状態が続いている。トヨタ自動車は現地工場を当面3日間稼 動停止する。

現地工場、天津一汽トヨタが稼動停止となったのは、現場周辺に避 難勧告が出ており部品調達に支障が出ているため。被害状況確認に手間 取り、生産再開に必要な情報が集まるまでには時間がかかるとしてい る。爆発事故による死者は114人に上り、70人が行方不明となってい る。

国土交通省の2012年の統計によると、天津港は貨物取扱量が世界3 位で中国北部への自動車輸送拠点ともなっている。現地生産をしていな い富士重工業は天津港を主要な荷揚げ拠点として利用しており、次回8 月末に予定されている天津港からの輸入について代替ルートが可能かを 検討している。富士重は、爆発で物流拠点に保管していた新車百数十台 が被害を受けた。

三菱自動車は事故現場から1キロメートル地点に約600台の輸入新 車を保管しており、被災した可能性が高い。現場は立ち入り禁止区域に あたり、詳細は把握できていない。従業員にけがはなかった。

部品サプライヤーも集積

爆発のあった地域は工業・物流団地でもあり、アイシン精機、トヨ タ合成など自動車部品メーカーが多く拠点を構える。事故現場から3.5 キロ地点にあるアイシン精機の工場では、窓ガラスが割れる被害があっ た。事故当日は工場の休日だったため従業員らに被害はなかった。

約7キロの距離に位置する工場も複数あり、被害状況の把握や物流 ルート確保の見通しは立っていないのが現状だ。東海理化など建物や人 的被害がなかったサプライヤーは、今後、物流に影響が出る可能性を懸 念し、情報収集にあたっている。

生産停止を決めたトヨタは、事故当時は工場は稼動していなかった ものの、近くに住む従業員50人がけがをした。また物流拠点に保管して いた車両に大きな被害が出た。現地では独フォルクスワーゲン(VW) や韓国の現代自動車なども拠点を構えているが被害実態の把握ができて いない。

天津一汽トヨタの昨年の生産実績はクラウンやカローラなど44万台 で、中国生産の半分弱を占める。世界最大の自動車市場である中国は、 欧州メーカーを含めた激しい競争環境にあり、トヨタは8月、天津一汽 に新ラインを建設し、18年から新型車の生産を開始することを発表して いる。天津一汽の7月時点での従業員数は1万2000人。

--取材協力:堀江政嗣、Ma Jie.

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