よみがえるソロス対マハティール論争の記憶、リンギット安で

マレーシアの通貨リンギットの1998年以来最 大の下落は、マハティール首相(当時)と資産家ジョージ・ソロス氏に よる論争を想起させる。

リンギットは先週、対ドルで3.8%下落した。マレーシア中央銀行 のゼティ総裁は13日、2010年以来の1000億ドル(約12兆4000億円)割れ となった外貨準備高について回復させる必要があると発言。ただ、17年 前のリンギット大幅下落時にマレーシアが頼った通貨ペッグや資本規制 の導入は否定した。当時、マハティール氏はリンギット急落の責任は外 国人投資家にあると主張し、ソロス氏を非難した。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのエコノミスト、 チュア・ハク・ビン氏(シンガポール在勤)は14日のインタビューで 「1997-98年の危機時のヘッジファンドによる攻撃の記憶がよみがえり つつある。資本規制導入の可能性が高いとは見ていないが、外貨準備の 急減を踏まえるとそうしたリスクを排除できない」と述べた。

リンギットは週明け17日も下げ、ここ1年間の下落率は24%と、ア ジア通貨の中で最大。政治スキャンダルや人民元切り下げ、原油安、米 利上げ観測が重しとなっている。一方、1998年9月に当時のマハティー ル政権が資本規制に踏み切る前の1年間にリンギットは30%下落してい た。一部の投資家によると、同規制が再び導入されるリスクがマレーシ アからの資金流出を招いている。

原題:Soros-Like Attack on Malaysian Ringgit Revives Memories of ’98(抜粋)

--取材協力:Choong En Han.