【今週の債券】長期金利は低下余地探る、中国景気不安が続くとの見方

今週の債券市場で長期金利が低下余地を探る と予想されている。中国をはじめ世界的な景気懸念が根強く、金利低下 圧力が掛かりやすいとの見方が背景にある。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジ は、全体で0.35-0.45%となった。前週は中国が人民元の切り下げに踏 み切ったことをきっかけに同国景気懸念が強まり、世界的なリスク回避 の動きで12日に0.355%と約3カ月ぶり低水準まで買われた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「今回の人民元ショッ ク以前から、中国景気に対する不安は膨らんでいた。むしろ今件もその 不安を裏付ける一つのエピソードとなっている。パニック的なステージ を脱してなお、商品市況の軟化が止まっていない。人民元ショックは収 束も、中国景気不安は続く」と言う。

17日に日本の4-6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)が発 表される。ブルームバーグが集計した市場予想の中央値は前期比年 率1.8%減と、3四半期ぶりのマイナス成長となる見通し。1-3月期 は同3.9%増だった。

20年債入札

財務省は18日に20年利付国債入札を実施する。153回債と銘柄統合 するリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は1.3%に据え置き となる見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度となる。前週 末の入札前市場で20年物は1.165%程度で推移した。

20年債入札について、DIAMアセットマネジメントの山崎信人上 席ファンドマネジャーは、「足元の利回り1.1%台半ばで投資妙味は乏 しいが、調整して1.2%付近に上昇すれば需要が戻ってきそう」だと話 した。

野村証の松沢氏は、「1.2%台で買い目線となるが、すでにフェア バリュー対比で相当割安になっていることから、今回そこまで相場を押 し戻すのは難しいだろう。1.1%台で迎える入札であれば、9月を待つ のも一案である。相場に対して中立から弱気な向きは、対20年スワップ での購入に妙味。弱気であれば対10年債での購入も可能」とみる。

20日には投資家需要の強い既発国債を追加発行する流動性供給入札 が予定されている。今回は残存期間5年超から15.5年以下の国債が対象 銘柄で、発行予定額は5000億円程度となる。

市場参加者の今週の先物中心限月と新発10年物国債利回りの予想レ ンジは以下の通り。

◎BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジスト

先物9月物147円10銭-148円10銭

10年国債利回り=0.35%-0.45%

「4-6月期の日本の実質GDPはよほど弱い結果にならないと織 り込み済み。国内投資家は冷静だろう。もっとも、海外勢からは商品市 況安や中国経済の影響波及で、日銀追加緩和を予想する声もある。20年 債入札については、金利が高いところで買いたい投資家が多い。翌週 に40年債入札を控えているが、利回り曲線上では買いやすい。外債のヘ ッジコストも上昇している。米長期金利が低下基調なので、日本の超長 期債は買いやすい。大きく崩れる状況にはならないだろう」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物9月物147円50銭-148円10銭

10年国債利回り=0.35%-0.41%

「中国リスクオフと米利上げ観測が綱引きとなる状況が続きそう だ。先週は中国の人民元切り下げを機にリスクオフの動きが強まった。 米国では8月の雇用統計が強ければ利上げ期待が強まるものの、まずは 中国懸念がどう着地するか見極める必要がある。中国や米国など海外発 の材料をにらみつつ、国内債市場は先週とあまり変わり映えしないレン ジになりそう」

◎みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジスト

先物9月物147円50銭-148円20銭

10年国債利回り=0.35%-0.45%

「金利が上昇する要因があまり見当たらない。市場では9月の米利 上げを織り込んできたが、原油安などもあって金利はむしろ低下してい る。グローバルに金利上昇余地が限定されるとみられる中、円金利につ いても、レンジの上限が徐々に切り下がってくると想定される。需給的 な面から20年ゾーンは相対的にアウトパフォームしやすいと考えら れ、20年アセットスワップには引き続きタイト化圧力が掛かりやすい状 態が続くだろう」

--取材協力:赤間信行、池田祐美 Editors: 崎浜秀磨, 山中英典

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