8月14日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが週間で6月以来の大幅安-元切り下げで

ニューヨーク外国為替市場ではドルが週間ベースで2カ月ぶり大幅 安。前向きな米経済データが発表されたものの、中国の人民元切り下げ の影響をめぐる懸念がドル相場を圧迫した。

14日の市場ではドルは下げを埋める展開。米生産者物価指数 (PPI)が市場予想を上回ったことが手掛かり。来週は米消費者物価 指数(CPI)が発表される。連邦公開市場委員会(FOMC)議事録 も公表され、利上げ時期に関するヒントが得られる可能性がある。人民 元は3日ぶりに上昇し、中国人民銀行(中央銀行)は相場の過度の変動 を防ぐため介入する意向を表明したものの、11日の元切り下げで混乱し た市場を落ち着かせることはできなかった。マレーシア・リンギット は1998年以来の大きな下げとなった。

スタンダード・チャータード(ニューヨーク)のシニアストラテジ スト、マイク・モラン氏は「中国の動きの余波はかなり長く続くだろ う」とし、「ドルは週を通じて軟化した。中国の動きを受けて、これが 特に9月に関して米金融当局の対応に影響し得るとの見方があった」と 述べた。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は週間で0.3%低下と、6月19日以降で最大の下げとなった。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.1%安の1ドル =124円31銭。週間ではほぼ変わらず。対ユーロではこの日、1ユーロ =1.1109ドルに上昇した。

人民元切り下げの影響

ブルームバーグ・JPモルガン・アジア・ドル指数は今週2%近く 下げた。これは2011年以降で最大の下げ。特にリンギットが大きく値下 がりした。

この日発表された7月の米鉱工業生産指数は前月比0.6%上昇し、 PPIは0.2%上昇したが、人民元切り下げの影響は週を通じて続い た。

USフォレックスの法人為替責任者ケン・ウィルス氏は、中国が 「なぜあのような変更を行ったのか、市場は正確な意図を見いだそうと している」と分析。米利上げの時期については「インフレが見られない ことを考慮すると、9月はなお疑問の余地があると考えられる。他のデ ータは明るいが、鍵となるデータはインフレだろう」と続けた。

ブルームバーグのデータによれば、利上げ後に実効フェデラルファ ンド(FF)金利が平均0.375%になるとの仮定に基づけば、9月会合 での利上げ確率は48%とFF金利先物市場に反映されている。

ユーロ

ユーロは対ドルで今週は1.3%上昇。主要16通貨中15通貨に対して 値上がりした。

ユーロは、同通貨で調達した資金を高利回り資産に投じるキャリー 取引の解消やギリシャ議会による救済パッケージ承認に伴い上昇した。

ラボバンク・インターナショナルのシニア為替ストラテジスト、ジ ェーン・フォーリー氏(ロンドン在勤)は「ユーロは今年、資金調達通 貨に利用されている」とし、「リスク選好の度合いが低いことからキャ リートレードは機能しておらず、それがユーロを支える形となってい る」と述べた。

原題:Dollar Has Worst Week Since June as China Overshadows U.S. Data(抜粋)

◎米国株:上昇、景気の強さに焦点-S&P500種は週間で高い

14日の米国株式相場は上昇。利上げ時期を見極めようと経済指標が 注目された。S&P500種株価指数は週間ベースで上げた。

S&P500種株価指数は前日比0.4%高の2091.54で終了。週間で は0.7%上昇。ダウ工業株30種平均は前日比69.15ドル(0.4%)上げ て17477.40ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.3%高。

ボヤ・インベストメント・マネジメントのマルチ資産戦略部門責任 者、ポール・ゼムスキー氏(ニューヨーク在勤)は「経済指標は予想よ りもやや良好で、中国についてもこれまでほど心配はされていない」と 指摘。「人民元が安定し、値崩れしていないという事実も買いを促して いる」と述べた。

7月の米鉱工業生産は75%を占める製造業生産がエコノミストの予 想以上に拡大した。

米生産者物価指数は7月に伸びが鈍化した。8月の米消費者マイン ド指数は2カ月連続で前月から低下した。

利上げ時期見通し

中国人民元切り下げの影響に関する懸念が和らいだことや経済指標 を背景に、市場では9月に利上げが実施されるとの見方が強まってい る。ブルームバーグがまとめた金利先物取引のデータでは、9月の利上 げの確率は48%と、11日時点の40%から上昇した。

来月の利上げが予想されているにもかかわらず、米株式市場には落 ち着きが広がった。シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティ リティ指数(VIX)は4.9%低下し12.83。これは過去12カ月の平均値 を下回る水準。

決算シーズンが終わりに近づく中、これまでに決算を発表したS& P500種構成銘柄のうち、約4分の3の企業の利益が市場予想を上回っ た。売上高が予想を上回ったのは半数未満にとどまった。

この日はS&P500種の業種別指数中、9指数が上昇。金融や工業 株、公益株がけん引した。一方、エネルギー株は下落。

アプライド・マテリアルズは安い

個別銘柄では百貨店のノードストロムが4.3%高。通期の利益見通 しがアナリスト予想を上回った。同業のJCペニーは5.6%高。5-7 月(第2四半期)の損失はアナリスト予想よりも小幅だったほか、新学 期商戦は「好スタート」を切ったと明らかにした。

食品流通のシスコ・コーポレーションは7.4%高。物言う投資家と されるネルソン・ペルツ氏が同社株7.1%の保有を開示し、取締役会入 りを目指す可能性があると述べた。

アプライド・マテリアルズは2.4%安。8-10月(第4四半期)の 売上高見通しはアナリスト予想を下回った。

原題:U.S. Stocks Rise as Investors Turn Focus to Economic Strength(抜粋)

◎米国債:中国人民元切り下げは利上げ観測に影響せず

米国債市場では、中国が人民元を切り下げたものの米金融当局の利 上げの方向性に変化はないとの見方が広がった。

先物取引動向によると、9月16-17日の米連邦公開市場委員会 (FOMC)で利上げが決定される確率は48%と、中国が通貨切り下げ を実施した8月11日時点の40%から上昇した。世界経済成長に対する懸 念を背景に米国のエコノミストは米国債の利回り上昇ペースの見通しを 後退させている。債券市場のインフレ指標は約6年ぶりの低水準に下げ た。

コメルツ銀のシニア金利ストラテジスト、マイケル・ライスター氏 は、「初回利上げ後のペースに対する関心が高まっているが、9月の決 定事項は依然として非常に重要だ。特に市場参加者は9月利上げに完全 に準備ができているわけではない」と述べ、「当社のエコノミストは9 月の初回利上げを見込んでいる。市場の見方はほぼ二分されている。利 回りが上昇し、イールドカーブがフラット化する余地はある」と続け た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)上昇の0.72%。同年債価格(表面利率0.625%、償還期 限2017年7月)は1/32低下して99 26/32。30年債利回りは1bp低下し て2.84%。

2年債のネットロング

トレーダーは米利上げを予想しているものの、2年債に対してはま だ強気の姿勢だ。米商品先物取引委員会(CFTC)の統計によれば、 ヘッジファンドなど大口投機家の2年債先物に対するネットロングは11 日終了週で16万2874枚と、前週の9万8261枚から増加した。増加幅は3 月27日以来で最大だった。

1年物のブレークイーブンレートは終値ベースで2009年5月以来の 低水準に下げた。

朝方発表された7月の米鉱工業生産指数では、製造業生産が予想以 上の伸びを示した。自動車生産が好調だった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の米金利戦略責任者、シャイア ム・ラジャン氏は「統計内容は予想よりも強かった」と述べ、「9月利 上げをめぐっては、中国の切り下げをきっかけに市場はナーバスになっ ていたが、それも多少は和らいだようだ」と続けた。

原題:Bond Market Says Cheaper Yuan Won’t Stop Fed From Raising Rates(抜粋)

◎NY金:週間ベースで6月以来の大幅高、逃避需要が復活

14日のニューヨーク金先物相場は週間ベースで2カ月ぶりの大幅上 昇となった。逃避資産としての妙味が見直された。

T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポート セントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「為 替が変動すれば金に逃避すると今も認識されている」と指摘。「欧州経 済が減速しているため、欧州でも金が買われるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.3%安の1オンス=1112.70ドルで終了。週間では1.7% 高と、6月半ば以降で最大の上げとなった。

銀とプラチナは下落。パラジウムは上昇した。

原題:Gold Caps Biggest Rally Since June as Haven Appeal Shines Again(抜粋)

◎NY原油:小反発、週間では1月以降で最長の7週連続安

14日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は小反発。週間ベースでは下げ、1月以来で最 長の7週連続安となった。世界的な供給超過に解消の兆しが見られない ことから、売りが続いている。

みずほセキュリティーズUSA(ニューヨーク)の先物部門ディレ クター、ボブ・ヨーガー氏は電話取材に対し、「今の市場でポジティブ な点を見つけるのは難しい」と話す。「前日に6年半ぶり安値を付けた ことで、一段安の見通しが広がっている。前回の下落局面での安値 は2008年12月に記録した32.40ドルだ。そこまではかなりの距離があ る」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比27セント(0.64%)高い1バレル=42.50ドルで終了。週間では3.1% の値下がり。

原題:Oil Caps Longest Weekly Slump Since January as Glut Persists(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-乱高下した市場に静けさ戻る

14日の欧州株式相場はほぼ変わらずとなった。今週、上下動を繰り 返した市場に静けさが戻った。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.1%安の386.24で取引を終 了。3日にわたり1%余り上下動した後、この日は比較的薄商いだっ た。出来高は30日平均を約4分の1下回った。

ルツェルン州立銀行(スイス)のトレーダー、ベンノ・ガリカー氏 は、「神経質な1週間の後で、週末に向けて誰も大きなポジションを持 ちたくない」とし、「これからさらに下落すると見込んでいた向きと、 十分調整されたと考える投資家らが綱引きしていただけだ。リスクオフ うの雰囲気の方がリスクオンより強かった」と語った。

ストックス600指数は週間ベースでは2.7%安と、3週間ぶりのマイ ナスとなった。中国の実質的な元切り下げを受けて続落し、12日には昨 年10月以来の大幅安となったが、13日は1%上昇した。

この日の取引では、業種別19指数の中では不動産株が上昇率首位。 ノルウェーのシードリルとサブシー7を中心にエネルギー銘柄は売られ た。

原題:Uneasy Calm Reigns in European Equities After Week of Swings(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債下落-人民元切り下げの影響は長続きせず

14日の欧州債市場では、ドイツ国債が下落。今週は中国の人民元切 り下げを受けた安全需要で利回りが大きく低下する場面も見られたが、 結局は前週末とほぼ変わらずの水準に戻った。

中国人民銀行(中央銀行)が元の中心レートを大幅に引き下げたこ とから、ドイツ10年債利回りは12日までの2営業日で9ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下。その後、元相場が過度に変動した場 合は行動すると人民銀が表明すると、利回りは上げ始めた。ギリシャ議 会がこの日に第3次救済パッケージを承認したことも、ドイツ国債需要 を弱める要因となった。

みずほインターナショナルの金利ストラテジスト、ピーター・チャ ットウェル氏は「元やギリシャ、経済データなど、今週起きたことを全 て振り返ってみると、影響がずっと続いているものは結局ない」と指 摘。中国については「市場は下振れリスクを長期にわたり織り込んでき ていた。通貨変動の余地が増したことで、このリスクが異なる径路を通 じて表されるようになっただけだ」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時45分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3b p上昇の0.66%。7日からはほぼ変わらず。12日には6月2日以来の低 水準となる0.59%まで下げていた。同国債(表面利率1%、2025年8月 償還)価格はこの日、0.26下げ103.315。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が同日発表した4-6 月域内総生産(GDP)速報値は前期比0.3%増。ブルームバーグがま とめたエコノミスト調査の中央値では、1-3月(第1四半期)と同ペ ースの0.4%増が見込まれていた。同時発表された7月のユーロ圏イン フレ率改定値は0.2%で、速報から変わらずだった。

原題:German Bonds Look Past China Turmoil to Send Yields Full Circle(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE