ドル円じり高、過度のリスク回避一服で124円半ば-元不安緩和

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東京外国為替市場ではドル・円相場がじり 高。中国人民元切り下げをきっかけとした過度のリスク回避の動きが一 服し、ドル買い・円売りが優勢となった。

13日午後3時36分現在のドル・円相場は1ドル=124円51銭前後。 人民元中心レートの発表後には124円07銭までドルが売られる場面が見 られたが、その後じりじりと値を切り上げ、午後の取引終盤には124 円54銭を付けた。

中国人民銀行(中央銀行)の張暁慧総裁補佐は13日、北京での記者 説明会で、人民元の下落が続く根拠はないとし、人民元は長期的に強い 通貨であり続けると述べた。

三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチの内 田稔チーフアナリストは、中国もどんどん元安にもっていく感じでな く、「そうであれば、ばたばたした雰囲気も多少和らぐ」と指摘。もっ とも、「世界2番目の国の通貨が短期間でこれだけ下がったことの影響 というのは逆にもう少し時間がたっていろいろなところに出てくると思 うので、材料としてはまだくすぶり続けると思う」と話した。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.1214ドルと 約1カ月ぶりの水準までユーロ高・ドル安が進んだが、その後上昇は一 服。この日の東京市場では一時1.1121ドルまで値を切り下げた。同時刻 現在は1.1122ドル前後。

みずほ証券投資情報部の由井謙二FXストラテジストは、ユーロは ポジションの巻き戻しとギリシャ第3次支援の条件合意による安心感か ら上昇してきたが、「ECB(欧州中央銀行) が緩和的な政策を続け ている中では、キャリーの調達通貨として売られやすい地合いは続く」 と指摘。「ユーロは以前の円のように、リスクオフで買われて、リスク オンで売られるような形になる」と語った。

人民元

人民銀は13日、元の中心レートを1.1%引き下げた。中心レート発 表後、人民元相場は対ドルで下落したが、その後下げ幅を縮小。香港オ フショア市場では続落から上げに転じた。

人民元の下落ペースが鈍化する中、13日のアジア株式相場はおおむ ね反発し、日経平均株価は前日比202円高で取引を終えた。

由井氏は、前日には人民銀による元買い介入の報道もあり、人民銀 には元を安定させようという意向が見られると指摘。「人民元による混 乱は徐々に落ち着いてくるだろう」と話した。

この日は米国で7月の小売売上高が発表される。ブルームバーグが まとめたエコノミスト調査の予想中央値は前月比0.6%増。6月は 同0.3%減だった。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は12日、ニューヨーク州ロチェス ターでの講演後の質疑応答で、「近い将来、利上が開始できるようにな ると希望を持っている。正確な開始時期はデータ次第だ」と述べた。

前日の海外市場では中国の景気減速で米国の利上げが後ずれする可 能性があるとの見方を背景に、ドルが下落。対円では一時7月31日以来 の安値となる123円79銭までドル売りが進んだ。

三菱東京UFJ銀の内田氏は、「基本的にはまだ9月の米利上げ観 測が残っているのでドル・円は底堅い面がある一方、今回の元急落は複 数の経路で米国の利上げをやりにくくする方向に作用する」と指摘。こ のため「125円台に向かうほどの雰囲気は今のところ後退している」と し、今夜発表される小売売上高も含めて「当面はこれから出てくる物価 統計と来月頭の雇用統計を見ながら、もう一度9月利上げはどうなんだ というところを見ていくことになる」と話した。

--取材協力:大塚美佳.