債券は反落、リスクオフ一服で反動の売り優勢-5年入札順調が下支え

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債券相場は反落。中国人民元の切り下げをき っかけにした世界的なリスクオフの動きが一服し、反動の売りが重しと なった。半面、きょう実施された5年国債入札結果が順調となり、相場 を下支えした。

13日の長期国債先物市場で、中心限月9月物は前日比12銭安の147 円88銭で開始。中国人民銀行(中央銀行)が10時すぎに人民元の対ドル での基準値を引き下げると日経平均株価が一時下げに転じ、9銭安まで 戻した。午後に入って、入札結果を好感して下げ幅を縮める場面もあっ たが、再び売りが優勢となり、147円76銭まで下落。結局は18銭安の147 円82銭で引けた。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「昨日の米国市場 で中国問題への警戒感が後退したので軟調に始まった。利回り水準が低 下したので、なかなか買い進みづらい。ただ、下値を売る人もいないの で、それほど利回りの上昇につながっていない」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回債利回 りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値を2ベーシス ポイント(bp)上回る0.375%で開始。一時0.385%を付けた後、0.38% で推移している。新発5年物の124回債利回りは0.5bp高い0.085%で開 始し、いったん0.09%を付けたが、入札後には0.085%に戻した。

マスミューチャル生命保険の運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ 長は、「10年債利回りは海外での金利上昇を受けてスピード調整が起こ っている」と説明。「人民元の切り上げが中国の弱い経済のリスクを意 識したものという見方がある以上、そうそう売られる地合いにもない。 特に中国や香港の株式市場は下値リスクが残っており、来週以降、リス クオフが色濃くなった場合には、10年債利回りは0.3%を試しに行く局 面があるのではないか」と述べた。

財務省がきょう午後零時45分に発表した表面利率0.1%の5年利付 国債(124回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円04銭と市場 予想を1銭上回った。小さければ好調さを示すテール(落札価格の最低 と平均の差)は1銭と前回と同じ。投資家需要の強弱を反映する応札倍 率は3.45倍と3月以来の高水準となった。

5年債入札について、岡三証の鈴木氏は、「0.1%を下回る利回り 水準の割には好調だった。良好な需給に下支えられている」と分析し た。

損害保険ジャパン日本興亜投融資部投資グループの石崎竜也グルー プリーダーは、「5年債入札はほぼ予想の範囲内の結果だった。相場へ の影響は小さい」と述べた。

12日の米債相場は小反落。10年国債利回りは前日比1bp上昇 の2.15%程度。約3カ月ぶり低水準の2.04%を付けた後、水準を切り上 げた。一方、米株式相場は小反発。S&P500種株価指数は同0.1%高 の2086.05で終了した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニアマーケット エコノミストは、「中国の人民元切り下げで12日の欧州市場までリスク 回避だったが、米国市場で株安・金利低下が遮断され、国内市場もこう した流れを引き継いで開始した」と話した。

--取材協力:赤間信行、Daisuke Sakai.

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