NY外為:ユーロ上昇、人民元切り下げで魅力高まる

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中国による突然の人民元切り下げがユーロに 恩恵をもたらしている。

12日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが主要通貨の大半に対 して続伸。オーストラリアやメキシコなど中国とつながりの強い市場か らの逃避資金が流れ込んだ。中国の政策の影響で米利上げの開始時期や 道筋が混乱するとの懸念からユーロはこの日、ドルに代わって逃避先通 貨となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の為替ストラテジスト、イア ン・ゴードン氏は「リスクの後退に伴い、ユーロは上昇している」と分 析。「米当局が9月に利上げする可能性があるとのわれわれの見方が変 わることはない。利上げしないリスクがほんのわずか高まる程度だ」と 続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで前日比1.1%高 の1ユーロ=1.1159ドル。一時1.1214ドルと1カ月ぶり高値を付けた。 対円では0.3%上昇し1ユーロ=138円60銭。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は0.8%下げて1203.85。

ユーロ

つい最近までは、ユーロはドルに対して数週間以内にパリティ(等 価)に下げそうな勢いだった。欧州中央銀行(ECB)による前例のな い刺激策を受け、ユーロ圏外に利回りを求める動きが広がり、域内から 資本の流出が加速した。

ユーロはこの日、主要10通貨のバスケットに対し7カ月ぶり高値に 上昇。欧州債の指標とされるドイツ国債と米国債の利回り格差は6月以 降で最小となった。

ステート・ストリート・アドバイザーズの為替管理責任者、コリ ン・クラウンオーバー氏(ロンドン在勤)は「ユーロのショートスクイ ーズ(踏み上げ)、そして多少の逃避需要が見られる」と分析。中国の 動きについては「米当局の9月利上げの確率を確実に押し下げている。 ただ私は、市場の織り込みほど低下してはいないと考えている」と述べ た。

中国の動き

中国人民銀行(中銀)はこの日、中心レートを前日の水準か ら1.6%引き下げた。前日には1.9%と、過去最大の大きさで引き下げて いた。この動きを受け世界の景気回復の弱さや資源価格の低迷が長期化 するリスクが浮き彫りとなり、米利上げ開始の見通しに暗雲を投げ掛け る形となっている。

米ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、中国の動きに伴う影響を注 視していくとした一方、中国の成長減速に即した人民元の下落であれば 理解できるとの認識も示した。

ブルームバーグのデータによれば、利上げ後に実効フェデラルファ ンド(FF)金利が平均0.375%になるとの仮定に基づけば、9月会合 での利上げ確率は44%とFF金利先物市場に反映されている。8月7日 は54%だった。

原題:China Burnishes Euro Appeal as Dollar Falls With U.S. Rate View(抜粋)

--取材協力:Lukanyo Mnyanda.