ドルが対円で一時2カ月ぶり高値、中国の人民元再引き下げで

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12日の東京外国為替市場では、ドルが対円で 一時約2カ月ぶり高値を更新した。中国人民銀行(中央銀行)が前日に 続き人民元の中心レートを引き下げたことから、アジア通貨を中心に再 びドル買い圧力が強まった。

ドル・円相場は一時1ドル=125円28銭まで値を切り上げ、前日の 海外時間に付けた6月8日以来の高値125円21銭を更新。ただ、その後 はドル売り・円買いが優勢となり、124円81銭まで値を切り下げ、午後 3時25分現在は124円87銭前後で推移している。

人民銀はこの日の中心レートを前日の水準から1.6%引き下げ、1 ドル=6.3306元に設定した。前日には中心レートを201.9%引き下げ、 20年ぶりの実質的な大幅切り下げに踏み切った。

あおぞら銀行市場商品部部長の諸我晃氏は、ドル・円は人民元切り 下げを受けたアジア通貨売り・ドル買いの流れに乗っている感じだと指 摘。もっとも、「株が落ちてきており、リスクオフで米金利低下なので 、ドル・円という意味ではここからは重くなってくるのではないかと思 う」と話した。

ブルームバーグ・データによると、台湾ドルと韓国ウォンは対ドル で前日終値から1%超下落。シンガポール・ドルやオーストラリア・ド ルも前日に続き大きく売られている続落している。

一方、ユーロ・ドル相場は人民元中心レート発表後にややドルが買 われたが、その後は値を戻し、取引終盤には一時1ユーロ=1.1091ドル と7月31日以来のユーロ高値を付けた。ギリシャと債権団は11日、第3 次救済策の条件で合意した。ユーロ・円相場はこの日、一時1ユーロ= 138円70銭と6月25日以来の水準までユーロ買い・円売りが進んだ。

人民元

人民銀は12日、人民元レートが継続的に下落する経済または金融上 の「根拠」はないとの声明を発表した。

2日連続の人民元切り下げを受け、アジア株式相場は下落。日経平 均株価は一時400円を超える下げとなった。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、中国は交易条件 を改善し、輸出を伸ばす狙いだとし、「基準値の人民元安は続くだろう 」と予想。もっとも、「最終的には世界経済の減速懸念とディスインフ レ懸念ということになる」とし、円については早晩、リスク回避の動き で買われるだろうと語った。

中国が発表した1-7月の鉱工業生産は前年同期比6.3%増だった 。ブルームバーグ調査の予想中央値は同6.4%増。1-7月の固定資産 投資は同11.2%増で、予想中央値は11.5%増だった。

ノムラ・インターナショナルの後藤祐二郎シニアFXストラテジス ト(ロンドン在勤)は、ドル・円にはドル・アジア通貨につられて上が っている部分とあすの米小売売上高への期待があるが、もう一段のドル 高・人民元安期待が高まれば、 米利上げの後ずれにもつながりかね ず、「そのあたりはリスク」と話した。

--取材協力:大塚美佳、池田祐美.

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