日本株続落、人民元が連日切り下げ-輸出や資源、化粧品売り

更新日時

12日の東京株式相場は大幅続落。中国が連日 で人民元の中心レートを引き下げ、同国経済の厳しさや世界の金融、商 品市場に与える影響が危惧された。電機や自動車など輸出関連、鉱業や 非鉄金属など資源関連、鉄鋼株中心に売られ、化粧品などインバウンド 消費関連銘柄の下げもきつい。

TOPIXは前日比21.85ポイント(1.3%)安の1665.75、日経平 均株価は327円98銭(1.6%)安の2万392円77銭。日経平均の下げ幅は 7月8日(638円)以来の大きさとなった。

新光投信の宮部大介ストラテジストは、人民元の「約2%という大 幅な切り下げ幅自体がショック。市場では一度で終わるという向きが多 かったため、想定外のことに驚いて反応している」と指摘。切り下げが 際限なく続くわけではないが、「2回で終わらない可能性はあり、落ち 着きどころを探す形になる」とみていた。

中国人民銀行(中央銀行)は日本時間12日午前、人民元の中心レー トを前日の水準から1.6%引き下げた。11日は同1.9%下げていた。事情 に詳しい複数の関係者は、人民銀行は本土スポット市場で元が過度に下 落するのを防ぐため、市場介入したと明らかにした。

11日の世界の株式市場は、人民元切り下げが中国景気の減速懸念に つながり、米S&P500種株価指数は1%安、独DAX指数が2.7%安と 総じて下落。きょうのアジア市場も、日本を含め香港やインドネシア、 台湾などを中心に下落スパイラルが続いた。

みずほ証券の大神美由紀シニアストラテジストは、人民元の切り下 げが続くなら、「新興国中心に通貨切り下げ競争のようになり、新興国 や資源国中心に経済的に良くない方向になりそう」と警戒する。11日の 商品市場では、世界最大の金属消費国の中国懸念でロンドン金属取引所 のアルミニウムと銅価格が一時約6年ぶりの安値を付け、ニューヨーク 原油先物も4.2%安の1バレル=43.08ドルと急反落。原油はアジア時 間12日の時間外取引でも下げている。

中国国家統計局が12日午後に発表した7月の工業生産は、前年同月 比6%増と市場予想の6.6%増を下回った。7月の小売売上高は10.5% 増、市場予想は10.6%増だった。

一時400円超安、先物売買急増

人民元切り下げの材料に日本株は前日既に下落反応したため、日経 平均は88円安で始まった後、一時17円安まで下げ渋ったが、人民銀行の 決定が伝わった午前半ば以降に一段安。午後は先物へのヘッジ売りや裁 定解消売りも巻き込み、一時417円安となった。14日に株価指数オプシ ョン8月限の特別清算値(SQ)算出もあり、きょうの日経平均先物の 出来高は午後3時時点で12万枚超と前日の9万9500枚を上回った。

SMBC日興証券投資情報部の西広市部長は、東証1部の騰落レシ オが11日時点で115%と目先買われ過ぎの120%に接近していたため、 「短期的な過熱感も出ている」と指摘。新光投信の宮部氏は、「企業業 績からことし1年の予想PERで見た場合、2万900円くらいが16年3 月期業績を織り込んだ水準」とし、同水準への接近で利益確定が出た面 もあるとしていた。

東証1部33業種は電気・ガスと情報・通信を除く31業種が下落し、 下落率上位は鉄鋼、鉱業、非鉄、化学、電機、輸送用機器、機械など。 東証1部売買高は25億3969万株、売買代金は3兆374億円。上昇銘柄数 は289、下落は1533。

売買代金上位ではトヨタ自動車、三井住友フィナンシャルグルー プ、ファーストリテイリング、ソニー、村田製作所、JFEホールディ ングスが安く、化粧品のコーセーや資生堂、おむつのユニ・チャームな どインバウンド消費関連銘柄の下げも目立った。中国経済と関係が深 い50社で構成される日経中国関連株50指数は2%安と、日経平均などに 比べ下げが大きかった。半面、大成建設、セイコーホールディングス、 ダイフクは逆行して高い。