元切り下げで米財務省に新たな難問-褒めて改革促す戦略に試練

中国による予想外の実質的な人民元切り下げ でオバマ米政権は褒めて改革を促す戦略のバランス調整が一段と難しく なりそうだ。

中国が人民元を対ドルで1.9%切り下げてから約16時間後、米財務 省はこの問題を避け、中国の動きによる影響を判断するのは時期尚早と する声明を発表した。中国人民銀行(中央銀行)は今回の変更を一時的 調整と呼び、元の中心レートが一段と需給実勢に見合うものなると説明 した。

ルー米財務長官はここ数カ月、中国が元相場の柔軟性を高め過去1 年間に介入を減らしたと評価してきたが、米財務省はなお元が過小評価 されているとして為替レート設定を一段と市場に委ねて透明性を持たせ るよう中国に求めていた。同省のスミス報道官は「改革が逆行すれば厄 介な展開になる」と述べた。

コーネル大学のエスワール・プラサド教授(貿易政策)は「今回の 動きは米政府にとって難問となる」と指摘。「中国は為替レートの設定 を市場原理に一層委ねるという米国と国際社会が求めていたことを行っ た。だが中国はこれを自国に都合のいいタイミングで思うがままに行っ ており、他国には必ずしも好都合ではない」と分析した。

為替レート設定を市場原理に委ねるようにすることで、中国は国際 通貨基金(IMF)特別引き出し権(SDR)構成通貨への人民元採用 を目指す取り組みを後押しできる可能性はある。ただ、オバマ政権は SDRへの元採用に消極的で、今回の中国の行動はこれを拒否するよう 同政権に求める政治的圧力をあおりそうだ。米議員の一部は中国が通貨 を切り下げたことで、米企業に対して不当に優位な立場を得ることにな ると不満を述べている。

原題:Yuan Action Creates Fresh China Conundrum for U.S. Treasury (1)(抜粋)