通貨戦争の新たな局面入りも、人民元切り下げで-ローチ氏

中国が事実上の人民元切り下げに動いたこと で、通貨戦争が新たな局面に入るリスクが日本からユーロ圏に至る国や 地域に広がっている。各国は国内経済の活性化に躍起だ。

中国人民銀行(中央銀行)は11日、営業日ごとに設定している人民 元の中心レートを1.9%引き下げた。この過去最大の引き下げを受け、 元相場は1994年の公定・市場レート一本化後の1営業日としては最大の 下落を記録した。

モルガン・スタンレーのアジア部門会長だったスティーブン・ロー チ氏は、「世界経済の弱さを踏まえれば、中国の輸出に弾みを付けるた めには1.9%よりずっと大きな切り下げが必要だろう」と指摘。エール 大学の上級研究員である同氏は、「絶えず拡大する通貨戦争において、 ますます不安定化をもたらす新たな小競り合いが生じる明確な可能性が 生まれた」と述べた。

中国は3月以降、人民元相場の安定を維持してきた。国際通貨基金 (IMF)の特別引き出し権(SDR)通貨バスケットへの人民元組み 入れを目指している背景がある。

クレディ・スイス・グループの通貨戦略グローバル責任者レイ・フ ァリス氏は、「人民元を安定的に維持するとの期待を市場で築いてきた 中国だが、その期待は突然、揺らいでしまった」と説明。同国の輸出が 急激に減少すれば、さらなる人民元切り下げを市場は見込むようになる だろうと語った。

原題:Roach Sees Currency Wars Just Getting Worse After Yuan Decision(抜粋)

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