債券は上昇、30年入札結果や国内株安で買い優勢-長期金利0.4%割れ

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債券相場は上昇。長期金利は4営業日ぶり に0.4%割れ。米国債相場の下落を受けて売りが先行した後、30年利付 国債入札を終えたことや、人民元の切り下げをきっかけに国内株式相場 が下落したことを背景に買いが優勢となった。

11日の長期国債先物市場で、中心限月9月物は前日比10銭安の147 円52銭で始まり、一時147円47銭まで下落した。午後に入って買いが優 勢となり、147円70銭まで上昇。結局は7銭高の147円69銭で引けた。

BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「人民 元の中心レートの大幅引き下げの影響はなかったと思うが、相場的には 前場の株安に対し、後場寄りで債券先物が上昇した形。入札を無難に終 えたことも相場のサポートとなっている」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回債利回 りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベー シスポイント(bp)高い0.415%で始まり、午前は同水準で推移した。 午後に入ると水準を切り下げ、0.395%と5日以来の0.3%台で取引され ている。

新発30年物の47回債利回りは1.5bp高い1.44%で開始し、いったん は1.445%まで上昇したが、午後にいると1.43%まで買われている。新 発20年物の153回債利回りは1.5bp高い1.185%で始まり、一時1.195%ま で上昇。午後は1.17%まで戻し、その後は1.175%を付けている。

野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「午前引けから午後 寄りにかけて強くなったのは、30年債入札を普通に通過したからだろ う。先週の流動性入札結果が悪かったので警戒感もあったが、米金利も 低いので日本国債に生保の目線が移り、いくらか応札を入れたのではな いか」と話した。

財務省がきょう午後零時45分に発表した表面利率1.6%の30年利付 国債(47回債)の入札結果によると、最低落札価格は103円10銭と、事 前の市場予想と一致した。小さければ好調さを示すテール(落札価格の 最低と平均の差)は15銭と前回の41銭から縮小。投資家需要の強弱を反 映する応札倍率は3.30倍と3月以来の高水準となった。

BNPパリバ証の藤木氏は、30年債入札結果について、「最低落札 価格が市場予想と一致した。水準的に魅力がない中で、市場の目線 が1.45%になっていたことが確認された。ただ、最低落札価格が前場引 けの水準を下回ったという点では、決して強くなかったともいえる」と 分析した。

この日の東京株式相場は下落。TOPIXは前日比0.2%安 の1687.60で取引を終えた。中国人民銀行(中央銀行)が人民元の中心 レート引き下げを発表したことで、同国景気に対する警戒感が強まっ た。

10日の米債相場は反落。10年国債利回りは前週末比6bp上昇 の2.23%程度。原油価格上昇に加え、金融政策当局者の発言が手掛かり となった。フィッシャーFRB副議長が米国の根強い低インフレは景気 がほぼ完全雇用にある状況では続かないと述べた。アトランタ連銀のロ ックハート総裁は、経済指標がまちまちな内容であるものの、米経済は 早期利上げ開始を正当化できるだけの進展を見せているとの認識を示し た。

--取材協力:Daisuke Sakai.