三菱UFJ:台湾向け融資3年で15%増、4000億円目指す

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三菱UFJフィナンシャル・グループは、台 湾事業を拡大する。2015年度中に中国との対岸付近に新設する拠点など を通じて中国との貿易が活発化している企業などの資金ニーズを掘り起 こす。資金需要の旺盛な顧客企業を開拓し、融資残高の積み上げや貿易 資金の決済など関連取引の拡大を目指す。

三菱東京UFJ銀行東アジア企画部の谷徹雄副部長はインタビュー で、「台湾企業は電子部品などで優位性が高く成長が期待できる」と指 摘。高い国際競争力を持つ地場企業などとの取引拡大を目指す考えを示 した。その上で、非日系が8割以上を占める台湾での融資残高について 今後3年で約15%増やし4000億円を目指すことを明らかにした。

台湾財政部によると、中国は最大の貿易相手国で全輸出入取引額の 約3割を占める。14年の輸出入総額は前年比5.4%増の1744億ドル。台 湾での人民元による貸出残高は15年1-6月で前期比110億元増の280億 元となっている。こうした中で三菱東京UFJ銀は、来年3月までに台 湾の高雄市に出張所を、中国福建省の福州市に支店を開設する。

三菱東京UFJ銀の谷氏は、台湾の台北支店に次ぐ高雄での拠点開 設に合わせ台湾の人員を現在の200人から約10%増やす考えを示した。 営業力を強化し、現地企業との取引は融資にとどまらず「人民元決済や 預金管理などの取引を深めて収益拡大を目指す」方針も示した。

日本は歴史的な低金利下にあり、外国企業にとっては日本の金融機 関からの資金調達はコストを低く抑えられるメリットがある。一方、日 本の銀行などは国内向け融資業務の収益性が低下しており、利ざやが厚 い海外融資に力を入れている。

台湾事業ではみずほフィナンシャルグループ(旧第一勧業銀行) が1959年に進出。現在は3拠点に300人以上を配置し、約9000億円の融 資残高がある。

過去最大のサムライローン

モーニングスターのアナリスト、マイケル・ウー氏(香港在勤) は、「低金利の環境にある日本の銀行は海外のローン市場で競争できる ことが強みになっている」と指摘。海外企業にとっても「日本市場に進 出したい場合にメガバンクなどと取引関係を構築しておくことは有益 だ」と述べた。

三菱東京UFJ銀は、7月末に総合石油化学メーカーの台湾プラス チック・グループと総額3億ドル(約370億円)のシンジケートローン (協調融資)契約を結んだ。複数の関係者によれば、台湾企業向けのサ ムライローン(日本の金融機関による融資)では過去最大で、三菱東京 UFJ銀の取りまとめで融資団には日本の地銀約20行が参加した。

三菱UFJは国際展開していない地銀に海外での融資機会を提供。 アレンジ手数料が入るほか、協調という形で新たな大規模案件の獲得に つなげる狙いがある。三井住友フィナンシャルグループは地銀の海外融 資を支援するファンドを設立している。