TOPIX10日ぶり反落、連騰警戒し内需安い-人民元材料も

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11日の東京株式相場は、TOPIXが10営業 日ぶりに反落。上昇ピッチの速さを警戒する売りや投資家の盆休み入り を前にした持ち高整理に押され、直近安値からの上げが目立った食料品 や電力、空運、陸運など内需株が安い。中国人民銀行が人民元の中心レ ート引き下げを発表したことも手掛かり材料の1つとなった。

TOPIXの終値は前日比3.69ポイント(0.2%)安の1687.60。日 経平均株価は87円94銭(0.4%)安の2万720円75銭と5日ぶりに下げ た。

りそな銀行の黒瀬浩一チーフ・マーケット・ストラテジストは、 「市場は中国景気が相当追い込まれているのではないかというリスクを 感じている」と指摘。中国景気の厳しさが深刻な場合には他国にも波 及、通貨の切り下げ競争になる懸念があり、「短期筋では1回ポジショ ンを整理している人も多い」と話した。

きょうの日本株は、前日の米国株や国際商品市況の下げ止まりで過 度の市場波乱、景気の先行きに対する懸念が薄れたほか、根強い企業決 算評価の流れもあり、輸出や素材、資源関連株中心に続伸して始まっ た。TOPIXは一時2007年7月以来の1700ポイントに乗せ、日経平均 は2万946円93銭と6月24日に付けた日中ベースの年初来高値(2万952 円71銭)に迫った。

ただ、日経平均は高値を抜け切れずに停滞感を強めると、午前11時 ごろから失速。TOPIXとともにマイナス圏に沈み、午後は先物主導 で一時下げ幅が200円を超えた。今週末14日には株価指数8月限オプシ ョンの特別清算値(SQ)算出を控え、先物に振らされやすい事情もあ る。大阪取引所の日経平均先物9月限の出来高は午後3時すぎの段階で 9万7000枚と、前日の6万3800枚から大きく増えている。

日本時間きょう午前には、中国人民銀行(中央銀行)が各営業日ご とに設定する人民元の中心レートを1.9%引き下げた。中国経済の成長 ペースが鈍る中で過去最大の引き下げとなった。人民銀行によると、7 月の銀行融資やバランスシート外の与信などを含む経済全体のファイナ ンス規模は、7188億元(約14兆4300億円)と前の月の1兆8600億元から 減った。りそな銀の黒瀬氏は、習近平国家主席は9月にもオバマ米大統 領との首脳会談を控え、引き下げを「このようなタイミングで行うのは 極めてサプライズだ」と言う。

前日に4.9%高と1カ月ぶりの大幅高となった中国上海総合指数 は、きょうは一時1%安、0.9%高の場面があり、一進一退の動き。

8月売買は高水準維持

ただ、午後後半の日本株は下げ渋り。東証1部の売買高は24億2557 万株、売買代金は2兆9724億円で、代金は前日比で12%増えた。三菱 UFJモルガン・スタンレー証券の吉越昭二シニア投資ストラテジスト は、夏季休暇に入る市場関係者が多い中でも「出来高、売買代金も一昨 年や昨年よりも多い。高値圏にある中で日本株への期待値は高く、参加 者が例年より多い」と話していた。

8月に入ってから11日までの1日当たり売買代金平均は2兆9245億 円。昨年8月1週の平均2兆1037億円からは4割近く多い。三菱UFJ モルガン証が10日付でまとめた東証1部企業の4-6月期決算集計によ ると、売上高は前年比5.3%増、経常利益は29.7%。通期計画に対する 進捗(しんちょく)率は経常利益で27.5%となっている。吉越氏は、 「9月中間決算で上方修正する会社が増える可能性が高い」とみる。

東証1部33業種は倉庫・運輸、空運、電気・ガス、水産・農林、食 料品、小売、紙パ、ゴム製品、保険、陸運など20業種が下落。空運や電 気・ガス、食品、紙パなど内需セクターは、相場が直近安値を付けた7 月9日から前日までの上昇率上位業種だった。鉄鋼や非鉄金属、金属製 品、石油・石炭製品、建設、機械、電機など13業種は上昇。東証1部の 上昇銘柄数は817、下落962。

売買代金上位ではファーストリテイリングや日本航空、NTT、明 治ホールディングス、花王、九州電力、資生堂が下げ、モルガン・スタ ンレーMUFG証券が投資判断を下げた日医工と4-6月期業績の進ち ょく率が低かった日本ペイントホールディングスは急落。半面、ソニー やジャパンディスプレイ、積水ハウス、JFEホールディングス、 SUMCO、住友金属鉱山は上げ、4-6月期純利益が前年同期比68% 増だった第一生命保険も高い。野村証券では目標株価を3300円に上げ、 絶好調なスタートと評価した。

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