債券市場は金利先高観にうんざりか-雇用統計後も長期金利低下

債券市場は今、非常にドキドキする時期であ るはずだ。米連邦準備制度が2008年以来ゼロ付近に据え置いてきた政策 金利をついに来月引き上げる可能性が見えている。それは市場が混乱し かねないことを意味するものであり、長期債利回りは上昇し、価格が下 落するリスクがある。

しかし、どうやらそうではなさそうだ。7日の雇用統計で労働市場 の順調が示され、利上げ観測に現実味を持たせたが、実際のところ10年 債と30年債の利回りは低下した。

「無関心が支配している」と、スタンダードチャータードのクレジ ット・ストラテジストらは先週のリポートに記している。

なぜだろうか。一つには、銀行が資本規制の強化に対応してマーケ ットメーキング(値付け業務)から撤退しており、多額の債券を素早く 売買しにくくなっていることがある。このため、投資家の大量の資金引 き揚げや、中国やギリシャの完全なメルトダウンといった明らかなきっ かけがない限り、ファンドマネジャーが今すぐ急いで方向転換する強い 理由はない。

さらに、市場で広がりつつある見方通りに米当局が9月に0.25ポイ ントの利上げに踏み切ったとしても、長期金利の著しい上昇にはつなが らない可能性がある。

米当局は04年から06年に行った前回の利上げサイクルで、急激な経 済成長に対応し政策金利を1%から5.25%に引き上げたが、年限が5年 超の債券の利回りは同期間にわずか0.9ポイントしか上昇しなかった。

気にしない

しかも、ウォルト・ディズニーやバイアコムなどメディア企業の最 新の決算発表に示されたように、米経済は正確なところ絶好調とは言え ないため、現段階での利上げは同国経済に打撃を与える恐れもある。

アンドレス・キャピタル・マネジメントの創業者、ボブ・アンドレ ス最高投資責任者(CIO)は6日の電話インタビューで、「利上げが 9月であろうと12月であろうと私は気にしない」と述べ、「米当局の利 上げが何かを意味するとは思わない」と指摘した。

7月の雇用統計はおおむね予想通りだったが、平均時給はエコノミ スト予想ほど伸びなかった。

投資家は差し当たり、米当局がようやく行動を起こすのを待つしか ない。その上でそこに何か意味があるのかを見極めることになろう。

原題:Are You Sick of Hearing About Rising Yields? So Are Debt Traders(抜粋)

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