債券上昇、米長期債高や日銀買い入れが支え-あす以降の入札が重し

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債券相場は上昇。前週末の米国債相場が続伸 したことや日本銀行による長期国債買い入れオペが支えた。一方、国内 では今週2回の利付国債入札を控える中、国内株価の持ち直しも重しと なった。

10日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前週末比11銭高の147 円61銭で取引を開始。朝方に147円71銭と日中取引ベースで3営業日ぶ りの高値を付けたものの、取引が進むにつれて上昇幅は縮小。午後から はTOPIXや日経平均株価の持ち直しを背景に売り圧力が強まり、結 局は12銭高の147円62銭で引けた。

先物中心限月のこの日の日中売買高は1兆2981億円にとどまり、昨 年12月29日以来の低水準となった。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回債利回 りは、日本相互証券が公表した前週末午後3時時点の参照値より1.5ベ ーシスポイント(bp)低い0.40%で開始し、午前は同水準で推移した。午 後に入ると0.405%に低下幅を縮めている。

みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「円債相場は先週末 の海外債券相場が強かった流れを引き継いでいるので、あすに30年債入 札を控える中でも調整しづらい状況。株価が上昇に転じるなど堅調推移 になったことが重しになっているもようだ」と話した。

週明けの東京株式相場は下落して始まり、 日経平均は一時100円以 上下げた。その後は好業績の内需関連セクターなどを中心に上昇に転じ た。日経平均は前週末比84円13銭高の2万808円69銭、TOPIX は12.10ポイント高の1691.29で、この日の取引を終了した。

日銀の発表によると、きょう実施した今月3回目の長期国債買い入 れオペ3本(総額1兆2000億円)の応札倍率は、残存期間3年超5年以 下と5年超10年以下が前回を上回り、1年超3年以下が低下した。

財務省は11日、30年利付国債入札を実施する。47回債と銘柄統合す るリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は1.6%に据え置きと なる見込み。発行額は前回債と同額の8000億円程度。13日には5年利付 国債入札が予定されている。

30年債入札について、みずほ証の辻氏は、「足元の1.4%台前半の 水準はややきつい。ただ、日銀買い入れなど需給面の良さや外債対比で の割高感が徐々に修正されつつあり、あすの午前に調整して1.4%台半 ばに上昇すれば相応の需要が見込まれる」と述べた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラ テジストは、あす以降に実施される利付国債入札が相場に与える影響に ついて、「警戒感が上値追いのムードをある程度抑制する」と話した。

7日の米国債相場は続伸。10年国債利回りは前日比6bp低下 の2.16%となった。金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは2bp上 昇の0.72%だった。原油先物や株式相場の下落が支えとなった半面、7 月の米雇用統計を受けて早期の利上げ観測が強まったため、金融政策の 影響を受けやすい中短期債は売られた。

--取材協力:山中英典.

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