8月7日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル指数一時4カ月ぶり高水準、雇用統計に反応

7日のニューヨーク外国為替市場ではドル指数が一時、4カ月ぶり の高値に達した。労働市場が持続的に伸びていることで、利上げへの道 筋が裏付けられた。

ドルは週間ベースで上昇。雇用統計では非農業部門雇用者数の増加 幅が20万人を超えたほか、失業率は前月と同じく7年ぶり低水準だっ た。市場では来月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが実施さ れるとの見方が強まった。

クレディ・スイス・グループの外為ストラテジスト、マット・ダー 氏(ニューヨーク在勤)は「この日の内容は9月を確実に検討対象に残 すもので、ドルを引き続き支えるだろう」と指摘。「しかし、9月の FOMCまでにはまだ時間があり、通過しなくてはならない指標は数多 い」と述べた。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数はニューヨーク時間午後5時現在、前週末比0.3%上昇 の1212.07。一時は終値ベースで3月13日以来の高値をつけた。

ドルは対ユーロで前日比0.4%安の1ユーロ=1.0967ドル。対円で は0.4%下げて1ドル=124円24銭。

利上げが近づいているとの観測を背景に、ドルは過去7週間で6週 目の上昇となった。主要10通貨を対象とするブルームバーグ相関加重通 貨指数によると、過去3カ月でみた通貨のパフォーマンスではドルが2 番目の上昇率となっている。最も上昇したのは英ポンド。

先物ポジション

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファ ンドなど大口投機家によるドルのネットロング(買い越し)は7週連続 で拡大した。これは2013年3月以来の最長。

オアンダ(カナダ・トロント)のシニア通貨アナリスト、アルフォ ンソ・エスパルザ氏は電話インタビューで、「ドル全面高の形勢になり つつある」と指摘。「こうした数字を根拠にドル一段高の展開が始まる だろう。この統計で9月が確実になったと誰もが考えているためだ。次 のイベントは小売売上高になる」と述べた。小売売上高は13日に発表さ れる。

初回利上げ後に実効フェデラル・ファンド(FF)金利が平 均0.375%になるとの想定に基づくと、先物市場では9月利上げの確率 が54%として反映されている。6日の時点では50%だった。

フランクリン・テンプルトン・インベストメンツの債券運用委員会 の共同委員長、マイケル・マテラッソ氏は「ドル高への上向きバイアス がある」と指摘。「当社が考えているように米経済の動向が予想より良 好となれば、さらに押し上げる可能性がある」と話した。

米労働省の発表によると、7月の非農業部門雇用者数(事業所調 査、季節調整済み)は前月比21万5000人増となった。ブルームバーグが エコノミスト予想の中央値は22万5000人増だった。

原題:Dollar Reaches 4-Month High as Jobs Data Give Fed Room to Move(抜粋)

◎米国株:下落、ダウ平均は2011年以来で最長の7日連続安

7日の米国株は下落。ダウ工業株30種平均は2011年以来で最長の7 日連続安となった。商品関連株が売られた。朝方発表された雇用統計で は雇用者の増加継続が示された。

エネルギー株は下落。ニューヨーク原油市場でウェスト・テ キサ ス・インターミディエート(WTI)先物は4カ月ぶり安値に下げた。 食品メーカー、ハーシーは四半期売上高が予想を下回り、値下がりし た。一方、アメリカン・エキスプレスは上昇。投資ファンドが同社に出 資したとの匿名関係者による情報が手掛かりとなった。

ダウ平均は46.37ドル(0.3%)下げて17373.38ドル。S&P500種 株価指数は前日比0.3%安の2077.57。ナスダック総合指数は0.3%下げ た。

ウェドブッシュ・セキュリティーズの株式トレーディング担当マネ ジングディレクター、マイケル・ジェームズ氏は「過去数日間見られた 下向きのバイアスを考えると、下落には驚かない」と述べ、「労働市場 の強さを見ると、雇用統計を受けてバイアスは9月利上げに傾いたと言 えよう」と続けた。

雇用統計

労働省の発表によると、7月の非農業部門雇用者数(事業所 調 査、季節調整済み)は前月比21万5000人増となった。ブルームバーグが エコノミスト予想の中央値は22万5000人増だった。前月は23万1000人増 (速報値22万3000人増)に上方修正された。家計調査に基づく失業率 は5.3%で前月から変わらず。

S&P500種に採用されている企業のうち88%が四半期決算を発表 済み。このうち利益が予想を上回ったのは4分の3、売上高が予想を上 回ったのは約半数だった。アナリスト予想によると、第2四半期のS& P500種企業の決算は2.1%の減益。1カ月前は6.4%減益が見込 まれて いた。

週間ベースでS&P500種は1.3%安。年初来では0.9%上昇。ダウ 平均は今週、1.8%値下がりしている。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)は2.8%低下し13.39。

S&P500種の産業別10指数のうち7指数が下落した。コンソル・ エナジーは8%安。エネルギー株や素材株が特に下げた。EOGリソー シズ、マラソン・オイルは売られた。

ナスダック・バイオテクノロジー指数は0.7%安。バイオジェンや バーテックス・ファーマシューティカルズが安い。

ツイッターは3日続落。決算を発表した先月以来、同社の株価 は26%下落している。

原題:U.S. Stocks Fall as Dow Average Marks Longest Slump Since 2011(抜粋)

◎米国債:利回り格差が縮小-景気懸念で長期債に買い

米長期債のトレーダーらは、7月の米雇用統計について当局が利上 げを開始できるだけの力強さを示したとみている。一方で経済成長とイ ンフレの見通しについては強気姿勢を後退させている。

7日の米国債市場では利回り格差(イールドカーブ)が4月以降で 最小となり、インフレ期待の弱まりが示唆された。原油価格は過去1年 間で54%下落している。金融当局は6月の段階で既に2015年の経済成長 率予想を1.8-2%と、3月時点の予想(2.3-2.7%)から下方修正し ている。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は 「世界の成長減速と同様にインフレも鈍化している」とし、「米当局が 利上げを開始し、世界経済の脆弱(ぜいじゃく)な状態が続いた場合、 米当局はその後あまり大きく追加利上げができなくなる可能性があると 市場はみている。長期債が買われているのはそのためだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後時5分現在、金融政策により敏感な2年債の利回りは前日比2ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.72%。

一方で経済成長やインフレ見通しにより敏感な期間が長めの国債の 利回りは低下した。10年債利回りは6bp低下し2.16%。同年債(表面 利率2.125%、2025年5月償還)価格は1/2上げて99 21/32。

30年債利回りは7bp下げて2.82%。

5年債と30年債の利回り格差は1.25ポイント。一時1.24ポイント と、4月以降で最小となった。

雇用統計

利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%に なるとの仮定に基づけば、9月会合での利上げ確率は54%とFF金利先 物市場に反映されている。12月またはそれ以前の会合では約77%となっ ている。

米労働省の7日発表によると、7月の非農業部門雇用者数(事業所 調査、季節調整済み)は前月比21万5000人増となった。家計調査に基づ く失業率は5.3%で前月から変わらずだった。

平均時給は24.99ドルで、前年比2.1%増。市場予想は2.3%増だっ た。前月比は0.2%増。

インフレ期待指標である10年物インフレ連動債と同年限の通常国債 との利回り格差(ブレークイーブンレート)は1.66ポイント。前日は一 時1.65ポイントと、3月以降で最小となった。

ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロース氏はこの日、ブ ルームバーグラジオのインタビューで、世界経済が「危険なほどにデフ レ的な成長に迫っている」と指摘した。

原題:Traders Sold on September Rate Rise, Then Unconvinced on Economy(抜粋)

◎NY金:続伸、株式相場やドルの下落で代替投資の買い

7日のニューヨーク金先物相場は続伸。米雇用統計で労働市場の改 善が示され、利上げに耐え得る程度に経済は力強いとの観測が強まった ものの、株式相場やドルが下落したことから、代替投資としての金の買 いが強まった。

プレスティージ・エコノミクスのジェーソン・シェンカー社長は電 話インタビューで、「株式をめぐる有意なリスク水準に関する警戒感が あるほか、弱いドルは金価格の支えになっている」と指摘。「ドルが下 落すれば、金価格をそこそこ支えるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12 月限は前日比0.4%高の1オンス=1094.10ドルで終了。週間ベースで は0.1%下げ、過去7週間では6週目の下落。

銀先物9月限は1%上げて14.821ドル。プラチナ先物10月限 は0.6%上昇の962.20ドル。パラジウム先物9月限は0.5%安の596.90ド ル。

原題:Gold Bulls Catch a Break as Dollar and Equity Drops Eclipse Jobs(抜粋)

◎NY原油:大幅続落、米リグ稼働数の増加とイラン増産意向で

7日のニューヨーク原油市場でウェスト・テキサス・インターミデ ィエート(WTI)先物は大幅続落し、週間では6週連続安。米国での 石油リグ(掘削装置)稼働数の増加と、イランの増産意向を嫌気し、世 界的な供給超過が長期化するとの懸念がさらに深まった。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブ(ニューヨーク)のエ ネルギーアナリスト、ティム・エバンス氏は電話取材に対し、「極めて 弱い需給ファンダメンタルズが主導する展開になっている」と指摘。 「世界的に供給が需要を上回っている状態がまだ続いていることが、強 く意識されるようになっている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は前日 比79セント(1.77%)安い1バレル=43.87ドルで終了。終値ベースで 3月17日以来の安値。週間では6.9%、年初からは18%の値下がり。

原題:Oil Caps Sixth Weekly Drop as New Rigs, Iran Seen Adding to Glut(抜粋)

◎欧州株:続落、米利上げ観測強まる-メディア銘柄も安い

7日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数は続 落となった。メディア銘柄の下げが目立った。米雇用統計発表後に米当 局が利上げを実施するとの観測が強まった。

ストックス600指数は前日比0.9%安の397.07で取引を終了。取引終 盤に下げ幅を拡大し、週間ベースの上げ幅は0.2%に縮小した。ギリシ ャの指標であるアテネ総合指数はこの日、1.5%上昇。週間下落率 は15%に縮まった。同国市場は3日、5週間ぶりに取引を再開した。

エイムド・キャピタル(ミュンヘン)のダニエル・ウェストン最高 投資責任者(CIO)は、「米雇用者数の伸びが予想通りで利上げの公 算は大きい。となると、この夏の期間に株式保有を促す要因は現時点で 不透明だ」と語った。

この日発表された米雇用統計によると、7月の非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比21万5000人増となった。家計調 査に基づく失業率は5.3%で前月から変わらず。

英ITVやドイツのプロジーベンザット1メディア、イタリアのメ ディアセットなどのメディア銘柄が大きく下げた。視聴者がオンライン のプログラムに流れるのに伴い広告が減るとの懸念が強まった。

個別銘柄では、フィンランドのタイヤメーカー、ノキアン・レンカ ートが1.5%安。第2四半期の利益と売上高が予想を下回った同社は、 業績見通しを下方修正した。一方、イタリアのモンテ・デイ・パスキ・ ディ・シエナ銀行は8.8%急伸。第2四半期に黒字化したことが好感さ れた。

原題:European Stocks Slide on Media Tumble and U.S. Rate Rise Bets(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が上昇、米金融政策との乖離が浮き彫り

7日の欧州債市場ではドイツ国債が上昇。原油安で欧州のインフレ 加速は遠のいたとの見方が強まった。米金利見通しが1週間を通じて注 目された。

この日発表された7月の米雇用統計は、米当局が9月にも利上げを 開始できるほど十分に強い労働市場の状況を示した。これを受けて米短 期債は下落、ドイツ国債は買われた。10年物利回りは週間ベースでの上 げ幅を縮めた。

ADMインベスター・サービシズ・インターナショナル(ロンド ン)のストラテジスト、マーク・オストワルト氏は欧米の「政策乖離 (かいり)に基づいた取引が活発だ」と指摘。原油安が意味することは 欧州中央銀行(ECB)の利上げリスクがより長期にわたって低くなる ということであり、「ドイツ経済もまだフル回転の状態にない」と語っ た。

ロンドン時間午後4時40分現在、ドイツ10年債利回りは前日比5ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.66%。週間ベースで での上げ幅は1bpに縮小した。同国債(表面利率1%、2025年8月償 還)価格はこの日、0.53上げ103.335。

同年限のスペイン国債利回りは4bp低下の1.98%、イタリア国債 利回りは3bp下げて1.83%となった。

原題:German Bonds Rally as Commodities Reinforce Policy Divergence(抜粋)