米国債(7日):利回り格差が縮小-景気懸念で長期債に買い

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米長期債のトレーダーらは、7月の米雇用統 計について当局が利上げを開始できるだけの力強さを示したとみてい る。一方で経済成長とインフレの見通しについては強気姿勢を後退させ ている。

7日の米国債市場では利回り格差(イールドカーブ)が4月以降で 最小となり、インフレ期待の弱まりが示唆された。原油価格は過去1年 間で54%下落している。金融当局は6月の段階で既に2015年の経済成長 率予想を1.8-2%と、3月時点の予想(2.3-2.7%)から下方修正し ている。

野村ホールディングスのストラテジスト、スタンリー・サン氏は 「世界の成長減速と同様にインフレも鈍化している」とし、「米当局が 利上げを開始し、世界経済の脆弱(ぜいじゃく)な状態が続いた場合、 米当局はその後あまり大きく追加利上げができなくなる可能性があると 市場はみている。長期債が買われているのはそのためだ」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後時5分現在、金融政策により敏感な2年債の利回りは前日比2ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.72%。

一方で経済成長やインフレ見通しにより敏感な期間が長めの国債の 利回りは低下した。10年債利回りは6bp低下し2.16%。同年債(表面 利率2.125%、2025年5月償還)価格は1/2上げて99 21/32。

30年債利回りは7bp下げて2.82%。

5年債と30年債の利回り格差は1.25ポイント。一時1.24ポイント と、4月以降で最小となった。

雇用統計

利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.375%に なるとの仮定に基づけば、9月会合での利上げ確率は54%とFF金利先 物市場に反映されている。12月またはそれ以前の会合では約77%となっ ている。

米労働省の7日発表によると、7月の非農業部門雇用者数(事業所 調査、季節調整済み)は前月比21万5000人増となった。家計調査に基づ く失業率は5.3%で前月から変わらずだった。

平均時給は24.99ドルで、前年比2.1%増。市場予想は2.3%増だっ た。前月比は0.2%増。

インフレ期待指標である10年物インフレ連動債と同年限の通常国債 との利回り格差(ブレークイーブンレート)は1.66ポイント。前日は一 時1.65ポイントと、3月以降で最小となった。

ジャナス・キャピタル・グループのビル・グロース氏はこの日、ブ ルームバーグラジオのインタビューで、世界経済が「危険なほどにデフ レ的な成長に迫っている」と指摘した。

原題:Traders Sold on September Rate Rise, Then Unconvinced on Economy(抜粋)