ギリシャ首相、中道左派へのシフトが唯一の生き残る道か

1国の首相がこれほど短い間にこれだけ大き な金融・財政の混乱の下でかじ取りし、しかも権力を強めることはめっ たにない。

ポピュリズムの波に乗って1月のギリシャ総選挙に勝利し首相に就 任したアレクシス・チプラス氏は、経済的に非常事態にある国家の運営 を委ねられた。チプラス政権は社会で最も困窮しているところへ資金を 分配している。今月3日に取引が再開されたギリシャ株式市場で銀行株 は5日までの3日間で60%余り急落。一部の当局者は何らかの偶発的な 出来事でギリシャがユーロ離脱に追い込まれる可能性は残っていると懸 念する。

しかしチプラス首相の人気には陰りが見えない。首相に批判的な人 たちは勝利不可能な瀬戸際政策を推し進めたチプラス氏の責任はほかの 誰よりも大きいと指摘するが、世論調査で急進左派連合 (SYRIZA)の支持率はトップで、2位の約2倍となっている。

チプラス首相の側近の1人は、今後数カ月以内に総選挙が実施され る可能性がある中、首相の政治姿勢が中道の方向へシフトすれば、政治 的安定を保証する唯一の存在になると述べた。

アテネ大学のアリスティデス・ハチス教授(法学・経済学)は「チ プラス首相が政治的に唯一生き残り得る道は中道左派にシフトすること で、これが可能なのは今しかない」と指摘。「チプラス首相は総選挙へ と動き、自ら率いる政党と衝突し、『良い子』のイメージを脱却して国 の指導者になる必要がある」と語った。

原題:In Greece’s Wartime Economy, Tsipras Claims Mantle of Stability(抜粋)