中国の都市計画再考が地球救う-ポールソン元米財務長官の深謀

2013年、中国共産党の1人の幹部がシカゴと ニューヨークの都市周辺をひそかに訪れた。この経験が同幹部の都市設 計に関する見解を一変させた。

北京市平谷区党委書記の張吉福氏は、曲がりくねった自転車道と都 会の雑踏を見せるシカゴの湖畔に感銘を受けた。ニューヨークのような 密集した大都会でも公園や庭、野外カフェが市内全域に点在しているこ とにも感動した。

北京市街地から車で約1時半の平谷区に戻った張氏は、都市計画に 関する政府お墨付きの基本的な設計図は忘れることにした。同氏は「わ れわれはこれまで、大きさと速さを追求し、広い道路や大規模コミュニ ティを建設してきたが、それらは都市の持続性というコンセプトに反す る」と述べた。

ポールソン元米財務長官の非営利団体ポールソン・インスティテュ ートが用意した米国での2週間のコースに参加した張氏は「シカゴとニ ューヨークでの研修から、コンパクトな都市開発の重要性を学んだ」と 述べた。

第一線で活躍する中国政府幹部の考え方に影響を与えることは、ポ ールソン氏が11年に非営利団体を設立した際に掲げた重要な目標の一つ だ。同団体は中国と米国の経済・環境問題に焦点を当てている。20年ま でに1億人が中国都市部に移動し、同国では床面積が1年で新たに20億 平方メートル増える見通しで、環境の破滅的状況を回避するために都市 化の効率性は重要な意味を持つ。

ソ連の影響を受けた中国の都市計画は人や居住性よりも、広い大通 りや車を重視する。住宅地と工業・商業地区を分けることが多く、車で 長時間の通勤を強いられている。地方政府が土地売却収入を必要として いることも、都市の無秩序な広がりの要因だ。結果として、道路の大渋 滞と大気汚染につながっている。

原題:Hank Paulson Prods China to Rethink Urban Plans, Save the Planet(抜粋)

--取材協力:Xiaoqing Pi.