ソフトバンク株が9カ月ぶり日中上昇率-最大1200億円の自社株買い

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日米で通信事業を展開するソフトバンクグル ープ株が7日、9カ月ぶりの日中上昇率を記録した。前日に発表された 自社株買いや4-6月期純利益が市場予想を上回った点が好感された。

株価は一時、前日比5%高の7498円まで買われ、2014年11月4日以 来の日中上昇率となった。午前9時20分現在は同4.4%高の7452円。

同社の自社株買いとしては過去最大で、発行済株式総数 の1.68%、1200億円を上限に、来年3月末まで行う。同時に発表された 4-6月期の連結純利益は市場予想を上回った。孫正義社長は会見で、 不振が続く米子会社スプリントの浮上に2年ほどかかるという見通しを 示した。

SMBC日興証券の菊池悟アナリストは、「自社株買いはサプライ ズ」と話した。社債などで調達した資金で成長投資をする一方、自社株 買いという形で株主還元するのは、株価を意識している点でポジティブ な印象だと述べた。

孫社長は決算会見で、ソフトバンク株が実力に対して割安なため、 自己株を取得することにしたと説明した。また他の投資に比べて、ソフ トバンク株が「一番、投資リターンがよい」と話した。

4-6月期の純利益は2134億円で、ブルームバーグがまとめたアナ リスト3人の予想平均(1540億円)を上回った。前年同期比では2.8倍 の増加。投資評価益(576億円)やグループ会社のアリババ・グルー プ・ホールディングの持分法利益(434億円)が利益を押し上げた。

営業利益は3436億円(市場予想3197億円)、売上高2兆1391億円 (同2兆1691億円)だった。今期(2016年3月期)の業績予想は公表し ていない。

4位に後退

米子会社のスプリントが4日に発表した4-6月期決算では、市場 予想を上回る四半期業績と3四半期連続の加入者増を達成したものの、 加入者総数ではTモバイルUSに抜かれ4位に後退した。純損益は2000 万ドル(約25億円)の赤字(前年同期は2300万ドルの黒字)だった。

スプリントは昨年8月に最高経営責任者(CEO)に就任したマル セロ・クラウレ氏の下で巻き返しを図っており、今月3日には経営陣の 入れ替えの一環としてタレク・ロビアティ氏を最高財務責任者 (CFO)に起用すると発表した。2月には商標権の価値が帳簿価額を 下回り、減損損失を計上している。

6日の会見では、運営費や設備投資の削減によってスプリントの浮 上を目指す方針が示された。また資金調達の方針として、社債を増加さ せないことや増資を行わないことを表明した。一時、スプリントの売却 も検討したという孫氏は「改善への光が見えてきた」と述べ、「今は売 却する気はまったくない」と明言した。