熟年層が大半、ホンダスポーツ車の購入者-若者開拓に課題も

ホンダは4月に発売した軽自動車のスポーツ カー「S660」の受注を一時的に停止している。月800台の販売計画に対 し、来年前半までの生産分が既に予約済みとなったためだ。

S660は20代のエンジニアが若い人にも運転を楽しんでもらいたい と開発を進めたスポーツカーだが、購買層の半数以上は50歳以上となっ ている。広報担当の福島美彗氏によると、古くからのホンダ車ユーザー が2台目として買うケースが多い。

ホンダが根強いファンを獲得していることの証とも言えるが、裏を 返せば、自動車業界が狙う若者層の取り込みが難しいことの表れでもあ る。40歳未満の運転免許保有者数は、過去13年間で46%減少している。

自動車調査会社、IHSオートモーティブの川野義昭アナリスト は、高齢化が進む日本で若者の平均年収は20年前と比べて下降傾向にあ り、「自動車を買おうという気になる若者の数は限定的だ」と述べた。

ホンダが1998年にオープンタイプの2人乗りスポーツカー「 S2000」を発売したとき、購買層5人のうち4人は20代から30代の若者 だった。購買層の高齢化に挑むべく、ホンダは今回、敢えて自動車開発 経験のない20代を責任者に据えて新しいイメージの車づくりを進めた。

現時点で販売は好調だ。今年は既に8600台が売約済で、来年も6月 生産分までは受注が入っている。その1人、荒井均さん(66)は、5月 の納車以来、月に2、3回、郊外の別荘に行くときに運転している。元 銀行員で、S660のほかにバンとステーションワゴン車を所有する30年 来のホンダ車愛好家だ。

S660の屋根を外し、新鮮な空気を吸い込み、周囲の風景を感じな がら運転するのは「オートバイを運転している気分になる」と荒井さん は言う。だが、2人の息子にはその感覚を共有してもらえていない。

33歳になる長男は「多少理解してくれようとする」が、30歳の次男 は「まったく興味がなく、自転車に乗っているほうが好きなようだ」と 荒井さんは語った。

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