イエレン議長を悩ませる伏兵カナダ・ドル、利上げを妨害か

米連邦準備制度理事会(FRB) のイエレン議長はつい1カ月ほど前に、ドル相場が米国経済に及ぼす悪 影響は消えるだろうとの期待を表明した。まさか米国最大の貿易相手国 の通貨に対して、ドルが11年ぶりの高値に急上昇するとは予想していな かったのかもしれない。

ユーロや円に対するドル上昇の勢いは和らいだが、7月に入ってか らドルはカナダ・ドルに対して5%上昇しており、米経済へのさらなる 悪影響が明らかになる可能性がある。ブルームバーグがまとめたデータ によると、カナダは米国製品の約17%を購入、その比率はどの国よりも 高い。昨年に過去最高を記録した米国からカナダへの輸出は、すでに減 少している。

ドル高は米国製品の価格を海外で押し上げるため、2006年以来で初 となる利上げを準備する連邦公開市場委員会(FOMC)にとっては邪 魔な存在になる。

FRBがまとめる貿易加重ドル指数は、3月に付けた高水準に接近 している。イエレン議長は当時、為替相場が米国の輸出とインフレの重 しになっていると警告した。主要通貨のみで構成する同指数はカナダ・ ドルの比重を13%近くとしている。

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのシニアエコノミ スト、チャールズ・サンタルノー氏(ロンドン在勤)は「6月下旬以降 に見られるドル上昇は、おそらく前の上昇局面と同じスピードだ」と指 摘。「FOMCがドルを心配し始めた3月に戻ってしまった、という投 資家の声が聞こえるようだ」と述べた。

原題:Why Canada May Become a Problem for Janet Yellen(抜粋)

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