英中銀:8対1で金利据え置き、今年のインフレ予想下方修正

イングランド銀行(英中央銀行)の金融政策 委員会(MPC)は、政策金利を過去最低の0.5%で据え置いた。決定 は8対1だった。中銀はエネルギー値下がりとポンド高を理由に短期的 なインフレ率予想を下方修正した。

政策金利と同時に6日発表された決定会合の議事録によると、9人 のMPCメンバーの中で利上げを主張し据え置きに反対票を投じたのは イアン・マカファティー氏のみだった。大半のエコノミストは少なくと も2委員が利上げを主張すると見込んでいた。議事録によれば、「一部 のメンバー」はインフレ見通しには上振れリスクがあるとの見解だった が、利上げ開始の時期については意見が分かれた。

新たに採用したコミュニケーション戦略の下で「スーパーサーズデ ー」と銘打たれたこの日、中銀は四半期物価報告も公表。短期的にイン フレは弱く、最近のエネルギー価格下落の影響が少なくとも2016年半ば まで残るとの見通しを示した。

ポンドは下落し、ロンドン時間午後0時3分現在は前日比0.4%安 の1ポンド=1.5548ドル。

中銀は今年のインフレ率を平均で0.3%と予想し、5月時点予想 の0.6%から下方修正した。2016年については1.5%を予想している。

議事録も短期的なインフレの弱さに言及し、ポンド高によるインフ レ下押し圧力は「長引く」可能性があると指摘。「過去3カ月の原油値 下がりとポンド上昇に照らし、その後の1年のインフレ率上昇はより緩 やかになるだろう」と予想した。

一方、「一部のメンバー」は需要の強さや賃金の伸び、予想より小 さい経済のたるみを理由に「インフレ見通しに上振れリスクがあるとの 見解だった」という。

マカファティー氏はこれらのリスクが、政策金利を「直ち に」0.75%に引き上げることを「正当化する」と論じた。

政策決定にとってより重要な長期のインフレ率見通しについては2 年以内に中銀目標の2%となり、さらに1年後には2.1%に達すると予 想している。予測は16年7-9月(第3四半期)までは利上げを完全に 織り込んでいない市場予想を前提としている。

MPCで票が分かれたのは今年初めてだった。

中銀は15年の成長率予想を2.8%に上方修正。16年は2.6%と予想し た。今年の賃金上昇率の予想も3%と5月時点予想から上方修正し、16 年は3.75%と予想した。

利上げ派がマカファティー氏1人のみだったのは意外だった。カー ニー総裁を含め当局者らの発言が過去1カ月に引き締めへの傾斜を示唆 していたためだ。同総裁は過去最低金利の時代が終わりに近づいたと述 べていた。

物価報告の中で中銀は英経済について楽観を示し、実質所得の伸び と信頼感の高まり、与信環境の改善によって、民間部門の国内需要は堅 調を維持するだろうと予想。一方、世界的なリスクはあるとしてユーロ 圏と中国をリスク要因に挙げた。ギリシャ債務危機をめぐるリスクは後 退したとの認識も示した。

原題:BOE Votes 8-1 to Hold Key Rate, Cuts Inflation Outlook (1) (抜粋)