英中銀の「スーパーサーズデー」、注目すべき点は5項目

イングランド銀行(英中央銀行) の金融政策委員会(MPC)は6日、8月の金利決定と議事録、最新経 済予測をロンドン時間正午(日本時間午後8時)に公表する。カーニー 英中銀総裁は午後0時45分に記者会見を開く。

賃金の伸びが加速し、景気拡大が2008年のリセッション(景気後 退)前以来最長となる中で、カーニー総裁の下で英中銀はこの新たなコ ミュニケーション方式を採用する。同総裁は先月、政策引き締めの時期 は近づいていると発言し、「スーパーサーズデー」と銘打たれた今回の イベントを方向付けしていた。

スーパーサーズデーで注目すべき5項目を以下に挙げた。

1.MPC採決の内訳

9人のメンバーで構成されるMPCは過去7カ月間、政策金利 を0.5%に据え置くことを全会一致で決めてきたが、こうした状況は変 化しそうだ。大方のエコノミストは6日のMPCで利上げ賛成票が少な くとも2票投じられると予想している。

最も頻繁に名前が挙がるメンバーはイアン・マカファティー氏とマ ーティン・ウィール氏。両氏は昨年、利上げ賛成票を5回投じたが、今 年1月に据え置き支持に転じた。デービッド・マイルズ氏も引き締めを 主張する可能性があるが、今回が最後のMPC出席となる。さらにもう 1人、例えばクリスティン・フォーブス氏が据え置き反対に回れば一段 と興味深い。

2.インフレ率見通し

MPCのインフレ率見通しは重要な指針であり、中期予想が目標の 2%に対してどう動くかが、政策の引き締めが必要か緩和が必要かを示 す最重要のシグナルとなる。

5月のMPC予測は、16年第3四半期に利上げ開始という投資家の 見通しを前提として、3年後のインフレ率を2.14%と見積もっていた。

最新予測では、当局は賃金の伸び加速と、ポンド高、原油・商品相 場下落をてんびんにかける必要がある。バンク・オブ・アメリカ (BOA)メリルリンチのロブ・ウッド氏らエコノミストは、後者が短 期インフレ見通しを押し下げるものの、一時的なデフレ要因は時間とと もに薄れるため長期的な見通しはほぼ変わらないと予測している。

3.賃金の伸び

労働市場の引き締まりと経済のスラック(たるみ)の大きさを当局 者らが見極めるに当たって、賃金の伸びはMPCでの議論の焦点にな る。最新データでは、賃金上昇ペースは年率で5年ぶり高水準となって いる。ウィール氏らから見るとこれは労働市場でのインフレ圧力につい ての警鐘だが、アンディ・ホールデン氏ら他のメンバーは賃金インフレ が「急加速しているわけではない」ため利上げを急ぐべきでないと主張 している。

4.議事録

決定が「微妙なバランス」の上に立とうと「より微妙なバランス」 の上に立つものになろうと、英中銀の当局者らは言葉を巧みに操る専門 家であり、市場関係者は行間を読むしかない。

7月のMPC議事録に含まれた新しい1文は勢いの変化を表す最新 の例で、「現行の政策金利の下では中期的なインフレリスクが中銀目標 2%との比較において上方向に傾きつつあるとの見解を多くのメンバー が示した」としている。

これは重要な展開だと受け止められていただけに、この文言にさら に変更があれば、MPC内の新たな変化を示す。また、先月に「極めて 重要な要素」としていたギリシャ問題についての状況判断も注目され る。

5.記者会見

正午の発表で全て終わりではなく、カーニー総裁がその45分後から 1時間にわたり記者会見を行う。

このギャップはエコノミストやアナリストに全てを消化する時間を 与えると同時に、総裁も市場の反応を見て必要ならば記者会見での論調 を調整できることを意味する。

カーニー総裁が出口に向かうまで耳を傾け続けよう。

原題:Five Things to Look for in Bank of England Super Thursday Deluge(抜粋)