長期間停止している複数の原子炉の再稼働。 国内電力各社は、これまで世界のどの国の電力会社も経験したことがな いことに取り組もうとしている。

東京電力の福島第一原子力発電所の事故を受け、国内の43基の原発 は順次停止。このうちのほとんどが約4年間停止しており、25基が事故 を踏まえて策定された新規制基準の適合審査を申請している。来週に は、新基準導入後の初めてとなる九州電力川内原発1号機の運転再開が 予定されている。

国際原子力機関や米国、カナダの規制当局のデータによると、最低 でも4年間停止した原発の運転が再開されたケースは世界で14基。その すべてが運転再開後にトラブルに見舞われている。

米原子力規制委員会(NRC)の委員長を務めていたアリソン・マ クファーレン氏は「原子炉が長期にわたって停止していた場合、長い間 休止状態にあった機器や、さびついた運転技術により問題が発生する可 能性がある」と電子メールでコメントした。

スウェーデンでは、独電力大手エーオンが1992年から停止していた オスカーシャム原発1号機の運転を96年に再開。その翌年に6回の緊急 停止があったほか、亀裂が見つかったことから38日間で終わる予定だっ た燃料の交換作業に4カ月以上を要した。

原発ルネサンスと呼ばれる世界的に原発を再評価する動きが事故で 尻すぼみとなるなか、日本国内の原発再稼働をめぐる動向に注目が集ま っている。2020年以降の新たな温暖化対策の枠組みを決めるため、12月 にパリで第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催さ れるが、日本での再稼働が順調に進めば、二酸化炭素を排出しない原発 を産業界が改めて評価する可能性もある。

原子力技術コンサルティング会社、ラージ&アソシエイトのジョ ン・ラージ社長は、日本は「国中の原子炉がすべて4年間停止した状 態」にあり、原子力規制委員会は想定外の事態に備えなければならない と指摘。規制委がいま直面している状況は「他のどの国に存在しないま ったく固有の事態」だと話した。

原題: Japan Heads Toward Nuclear Unknown With Post-Fukushima Restarts (抜粋)

--取材協力:Aaron Clark.

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