ワタミが介護事業売却検討、200億円以上か、財務再建で-関係者

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業績不振の居酒屋チェーン、ワタミが主力事 業の一つである介護事業の売却を検討していることが明らかになった。 実現すれば200億円以上の案件になる可能性がある。本業の外食事業が 顧客減少に苦しむなか、介護事業の売却で財務の建て直しを図るのが狙 い。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

外食の顧客減少や介護事業の施設入居率低下から、同社の前期 (2015年3月期)連結決算は、最終損益が129億円の損失と2期連続の 赤字を計上、3月末の純資産は100億円に目減りしていた。本業の外食 事業では顧客数(既存店ベース)が前期を通じて毎月、前年を下回り続 け、今年度も減少に歯止めが掛かっていない。

ワタミの広報・CSR室長、中川直洋氏は介護事業について「売却 は全く検討していない。事業しているといろいろ話は来るが、売却につ いて具体的な話はない」と述べた。報道を受け、同社はコメントを発表 し、「事業ポートフォリオの再構築を含む経営上のさまざまな施策につ いてあらゆる可能性を検討しているが、現時点において決定した事実は ない」とした。

報道を受けて、同社株は一時、前日比10%高の1121円を付けた 後、1.7%高の1034円で取引を終了した。

介護事業

同社は前身の渡美商事が84年に居酒屋チェーンとして創業、00年に 東証一部に上場した。創業者の渡邉美樹氏は現在、自民党所属の参院議 員。

04年には介護事業に参入し、運営する有料老人ホームは首都圏など 全国で111カ所で展開している。入居者は6300人超。同分野の前期収益 は入居率低下で前の期比66%減益となったものの、事業別では最大の黒 字を確保している。

総務省の予測では、人口の高齢化率(65歳以上)は10年の23%か ら60年には39.9%に達し、高齢化は一段と進行する。こうした中、政府 は介護・医療施設の拡充に向け、成長戦略の中で介護施設や高齢者住宅 などを投資対象とするヘルスケアリートの推進を明記している。

(更新前の記事は業績不振の背景を訂正済みです)