時価総額約160兆円が消失、原油価格急落でエネルギー企業

今回の原油価格急落によるエネル ギー業界の時価総額減少は過去1年余りで1兆3000億ドル(約160兆 円)と、メキシコの年間国内総生産(GDP)に相当する規模に達し た。原油安を予想できた人もその影響を回避できた人もほとんどいなか った。

資産家カール・アイカーン氏の例を見てみよう。原油価格が2014年 6月にピークを付けた際、アイカーン氏が保有する米チェサピーク・エ ナジー株は約20億ドル相当だった。原油価格はその後半値以下に下落 し、チェサピークは今やS&P500種株価指数の構成銘柄で最悪のパフ ォーマンスとなっており、アイカーン氏の含み損は13億ドルに達した。 S&P500種はこの間6.9%上昇している。

公的年金基金や保険会社も打撃を受けている。ブルームバーグのデ ータによると、多くの年金基金に欠かせないミューチュアル・ファンド や上場投資信託(ETF)を手掛ける投資顧問は、2014年6月時点でエ ネルギー株関連の投資が1兆8000億ドルに達していた。

デラウェア・インベストメンツで小型株や中型株への投資を担当す るクリス・ベック最高投資責任者(CIO)は「打撃は極めて大きい。 原油は1バレル=90ドルから100ドルの範囲で推移すると誰もが考えて いた」と述べた。

MSCI世界エネルギー指数あるいはブルームバーグ・インテリジ ェンスの北米独立系探査・生産指数に採用されているエネルギー企 業157社全体の時価総額は、14年6月以降で約1兆3000億ドル減少し た。テクノロジー業界のバブルが2000年に崩壊した際にはナスダック総 合指数から7兆ドルが消失したが、市場がバブル崩壊前の水準に戻るに は15年近くかかった。

原油価格が回復すれば、投資家は資金を一部取り戻せるかもしれな いが、減少したほどのスピードでは価値は戻らないと考えられる。ブル ームバーグがまとめた予想中央値によると、原油価格は16年1-3月 (第1四半期)までの間で20ドル弱の上昇にとどまる見通しだ。

原題:The Oil Crash Has Caused a $1.3 Trillion Wipeout(抜粋)

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