債券下落、米金利上昇を警戒-流動性供給入札弱めでスティープ化圧力

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債券相場は下落。米国経済指標の改善で早期 の利上げ観測が強まり、前日の米国債相場が続落した流れを引き継いで 売りが先行した。超長期債を対象とする流動性供給入札結果が弱かった ことから、利回り曲線にスティープ(傾斜)化圧力が掛かった。

6日の長期国債先物市場で、中心限月9月物は前日比15銭安の147 円53銭で開始した。午後は入札結果を受けて水準を切り下げ、一時 は147円41銭まで下落。結局は24銭安の147円44銭と、この日の安値圏で 引けた。

野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「米国債やドイツ国 債が下落したことを織り込んだ形。海外金利が上昇していく中で、国内 金利は下がり過ぎていたので売りが出やすかった。流動性供給入札の結 果も重しとなって下げている。来週の30年債入札に対する警戒感が高ま っている」と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の339回債利回 りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1.5ベー シスポイント(bp)高い0.41%で開始。午後に入ると水準を切り上 げ、0.42%と7月30日以来の高水準を付けている。4日は約2カ月ぶり 水準の0.385%まで低下した。

新発20年物の153回債利回りは3bp高い1.19%と、7月22日以来の 高水準を付けている。新発30年物の47回債利回りは3.5bp高い1.445% と、7月21日以来の水準まで上昇している。

みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、流動性供給入札結果 について「弱めだった」と指摘。超長期債の金利は低調に終わった7月 の30年債入札時の水準付近で、来週に控える入札まで超長期ゾーンの日 銀国債買い入れオペがないことも懸念材料になっていたと説明。ただ、 「大崩れする感じではない。原油安に加え、前回の30年入札時と金利水 準は近いが、環境は違ってきている」と話した。

財務省がこの日午後零時45分に発表した流動性供給入札(発行 額3000億円程度)の結果によると、募入最大利回り較差がプラ ス0.026%、募入平均利回り較差はプラス0.013%となった。投資家需要 の強弱を示す応札倍率は1.95倍と、2012年12月11日以来の低水準となっ た。今回は残存期間15.5年超から39年未満の国債が対象だった。

5日の米債相場は続落。10年国債利回りは前日比5bp上昇の2.27% 程度、2年債利回りは一時0.76%程度と2011年4月以来の高水準となっ た。米供給管理協会(ISM)が発表した7月の非製造業総合景況指数 は60.3と、05年8月以来の高い水準となり、金融当局が9月にも利上げ に動くとの観測が強まった。

SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、「需給環境自 体は悪くないとはいえ、足元では米長期金利の影響を受けやすい地合い だ。7日に7月の米雇用統計発表を控えるだけに、一段と買い進むには 抵抗のあるタイミング。10年債利回りの0.4%割れはまだ買い進みにく い」と述べた。

--取材協力:池田祐美.

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