イタリア二都物語-北と南の雄、ミラノとローマの現実徹底比較

一方はニューヨーク・タイムズ紙 の2015年の訪れたい街トップ、一方はあれやこれやでヘッドラインを独 り占め。

ローマとミラノの優劣争いは大昔からで、イタリア人が朝のエスプ レッソを飲みながらおしゃべりする時のお気に入りの話題だ。イタリア の金融の中枢でありファッションの都でもあるミラノは効率的で優雅。 首都として政治の中心でありローマカトリック総本山を抱えるローマは 豪華だが古めかしく、悪党も多い。ミラネーゼはお高くとまっているが 良く働く。ローマっ子はおおらかだが怠け者だ。

しかし、こうした言い古された常識はどの程度真実なのだろう。イ タリア二都物語の現実を見てみよう。

北部ロンバルディア州の州都ミラノを見ると、欧州債務危機後の回 復力はほぼドイツ並みだ。対照的に、ローマを中心とした中部のラツィ オ州は過去最悪の不況に見舞われている。ブルームバーグの予想によれ ば、第2次世界大戦以降で最長のリセッション(景気後退)の間に同州 の州民1人当たり総生産は24.3%減少、ロンバルディアは8.5%減と見 込まれる。

失業率を比較すると、ローマを含む地域は2014年に11.3%に達した が、ミラノは僅かな上昇で8.4%。しかもローマ市には約2万4000人の 公務員がいるほか、ごみ収集や電力供給などをつかさどる公益企業の従 業員が約2万6000人いる。いくら首都でも、これは多過ぎないか。

ミラノ市内に張りめぐらされた地下鉄網の長さは今年100キロに達 した。ローマは62キロだ。ローマの面積はミラノの7倍、人口は2倍。 ただ、考古学的に宝の山で掘れば遺跡が出てくるローマでの地下鉄整備 が容易でないのは事実だ。

ローマには年間1000万人を超える外国人旅行者が訪れる。ミラノ は700万人前後。5月1日から10月末までミラノで開かれている万国博 覧会のおかげでミラノが盛り返すチャンスはあるが、やはりコロッセオ を擁するローマの魅力には勝てないだろう。女優オードリー・ヘップバ ーンも映画「ローマの休日」の中でそう言っている。

汚職についてはどっちもどっちだ。ミラノでは万博に絡む入札で影 響力を行使しようとした疑いで14年3月以降に15人以上が逮捕され、3 件の捜査で少なくとも50人が容疑を持たれている。ローマでも、ごみ処 理と難民収容所に関連の入札での談合をめぐる捜査で同市の元高官複数 が対象になり、昨年12月以降に約80人が逮捕、100人以上が調べられ た。

しかし結局、両都市の優劣を決める究極の勝負はサッカーだろう。 プロサッカーのトップリーグ、セリエAで何回優勝したかだ。どちらの 都市にも2つずつサッカーチームがあり、熱心なファンがいる。同じ都 市のチーム同士の競争心の方が他の都市のチームに対するよりも強いの でややこしいが、都市同士の比較では圧倒的にミラノに軍配が上がる。

原題:Milan and Rome Face Diverging Realities in Italy’s Stagnation(抜粋)

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