ウォール街が金融の未来に出会う場所-ブロック368396

ジャスティン・ブラウンヒル氏は同氏の会 社、セナヒル・パートナーズが行った最新の投資についてチェックした い時、ある帳簿を開く。帳簿の中の住所はブロック368396だ。

この住所が、セナヒルが持つシンビオント持ち分の在りかだ。シン ビオントは、仮想通貨ビットコインの帳簿であるブロックチェーンを使 って資産の所有権の証明や移転を迅速かつ容易にする事業を手掛ける新 興企業。

同社は4日、自社株式への投資の一部を電子化しブロックチェーン で公開した。これによって持ち分情報はこの公開帳簿上に永久に保存さ れ、配当支払いやストックオプションの行使などが自動的に行われるこ とが可能になる。

セナヒルのマネジングパートナーであるブラウンヒル氏はシンビオ ントの4日のプレゼンテーション後にインタビューに応じ、「今朝目を 覚ました時、『歴史的な瞬間だ』と思った」と語った。金融業のセナヒ ルはシンビオントのほか、10社余りの非公開企業に投資している。「わ れわれのこれからの仕事は、この利点を当社の投資先企業全てに取り入 れさせていくことだ」と述べた。

ウォール街はデリバティブ(金融派生商品)や債券、ローンなどの 資産の扱いを一変させる可能性を秘めたブロックチェーンの潜在力に魅 せられている。所有権の追跡を容易にし、資産移転を迅速に行えるよう になるためだ。

シンビオントは同社が「スマート証券」と名付けたものを作りだ す。まずは自社の株式で実践し、創業者らや社員らの持ち株やストック オプションを暗号化し、ブロックチェーンに書き込んだ。ブロックチェ ーンはビットコインの売買が記録される帳簿だ。

シンビオントのマーク・スミス最高経営責任者(CEO)は投資家 やバンカー、報道関係者が詰めかけたニューヨークでのプレゼンテーシ ョンで、「今日は暗号とウォール街が合体する日だ」と語った。JPモ ルガン・チェースやモルガン・スタンレーなど金融機関の人々も聴衆に 混じっていた。

ブロックチェーンを金融取引に利用しようとしているのはシンビオ ントだけでない。元JPモルガンのバンカーが率いるデジタル・アセッ ト・ホールディングスやナスダックOMXグループ、ニューヨーク証券 取引所(NYSE)などが可能性を探っている。

NYSEユーロネクストのCEOだったダンカン・ニーダーアウア ー氏は6月にシンビオントに125万ドル(約1億5600万円)を出資した 投資家の1人。プライベートエクイティ(未公開株)の取引を電子化す ることは株式発行や保有者の確認のプロセスに透明性をもたらすとし て、「投資家にとって非常に有用だ」と同氏はインタビューで述べた。

原題:Wall Street, Meet Block 368396, the Future of Finance (1) (抜粋)

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