足並みそろわぬ世界、金融市場にも乖離-何を信じるべきか

世界の足並みが何かとそろわない昨今だ。米 連邦公開市場委員会(FOMC)とイングランド銀行が利上げに向け準 備する一方、日本銀行と欧州中央銀行(ECB)は超緩和的政策を維持 している。米国を中心に先進国・地域経済は強いか、あるいは少なくと も安定の兆候を見せているが、新興市場は中国低迷の影響をまともに受 けている。

こうした多様な力学が金融市場に乖離(かいり)を引き起こし、ブ ルームバーグ商品指数は年初来13%下落して2002年以来の最低近辺に落 ち込む一方、ナスダック100株価指数は年初から8%上昇して先月付け た過去最高に近い水準となっている。

ロンドンのヘッジファンド、SLJマクロ・パートナーズの創業 者、スティーブン・ジェン氏は、原油など原材料の値下がりは新興国・ 地域の苦戦を反映していると指摘する。新興市場の今年の成長率は、09 年以降で最低となる見込みだ。

一方、株式市場の動向は豊かな先進国・地域の低金利と中銀の債券 購入の結果だとジェン氏は言う。同氏が投資家たちに問い掛けるのは、 この2つの別々の流れが持続可能なのかということだ。商品は下げ続け ハイテク株は上がり続けるのだろうか。それとも、両者はどこかで収れ んしていくのだろうか。

2つの段階

ジェン氏は2つの段階を想定している。1つ目は今の状態で、先進 市場の中銀が食品とエネルギーの値下がりによる低インフレをてこに景 気刺激的な政策を続けている状態。これはもうしばらくの間株を買い続 ける理由を投資家に与える。

ジェン氏によれば、第2の段階は第1ほど愉快でない。恐らくは米 国の利上げ開始をきっかけに、株式投資家が世界経済の見通しを修正し 始める。米当局は早ければ来月にも利上げをする可能性があるが、利上 げは米国債利回りの上昇につながるだろう。これは先進市場の株式バリ ュエーションの見直しにつながるとともに、新興市場株の一段の売りを 促す公算が大きいと、ジェン氏が先週のリポートで指摘した。

「米国の利上げ開始が近づくのに伴い、世界の株式相場の大幅な調 整リスクは高まる」とジェン氏は指摘。「米当局は資産市場主導の景気 回復を注意深く演出してきた。このため現在の政策姿勢から転換するの が難しいが、ある時点でそうせざるを得ないし、その時には相応の結果 を伴うだろう」と分析した。

原題:Who to Trust on Global Growth? Nasdaq Buyer or Commodity Seller(抜粋)