中国の大型景気対策に期待寄せる新興国-米利上げがリスク

成長軌道に戻るために新たな公共支出に頼っ ているのは、中国の製鉄会社やセメントメーカーだけではない。ブラジ ルからマレーシアに至る新興市場諸国が、危機回避に向けここ数年で最 大規模になろうとしている中国の財政を通じた刺激策を必要としてい る。

世界2位の経済大国である中国は、1990年以来の低成長に向かう中 で、新たな支出に向けた下準備を進めている。昨年11月からの4回の利 下げを含めた対策を講じても融資に弾みがつかないためだ。中国共産党 政治局は先週、数カ月以内に予防的な政策対応を打ち出すと表明した。

想定される米国の年内利上げ開始で新興国通貨が打撃を被る恐れが あるこの時期に、中国が政策をシフトさせようとしている。ロンバー ド・ストリート・リサーチのロンドン在勤エコノミスト、シュウェタ・ シング氏は「米国の利上げと中国の構造的な成長鈍化は大半の新興市場 にとって危険な組み合わせだ」と指摘する。

マレーシアとインドネシアは外貨借り入れ規模が大きく、資本逃避 のリスクがあり脆弱(ぜいじゃく)だ。マレーシアは政界も混乱してお り、これが消費者心理を損ねている。インドネシアとフィリピンは汚職 懸念の中でインフラ整備事業を促進しようと悪戦苦闘し、ブラジルでも 政界に汚職スキャンダルが広がって景気が低迷している。

元国際通貨基金(IMF)エコノミストでSLJマクロ・パートナ ーズのマネジングディレクター、スティーブン・ジェン氏は、「効果的 かつ正当化できる財政による刺激策を打ち出せる中国は例外的な立場に ある」と述べ、「中国では中央政府の債務水準が低く、運輸業界以外で のインフラ支出増額の必要性がまだ極めて大きい」と指摘した。

原題:China Shift to Stimulus Raises Rescue Odds for Emerging Markets(抜粋)