人民元のSDR採用、決定前にもっと作業必要-IMFスタッフ

国際通貨基金(IMF)のスタッフは、理事 会がIMF特別引き出し権(SDR)構成通貨への人民元採用を議論す るに際してたたき台となるリポートをまとめた。採用判断のための複数 の基準達成で主要通貨との間に開きがあるとの見解を示すとともに、理 事会の決定前にデータ分析でまだ作業が必要だとしている。

IMFのスタッフは3日付で公表された同リポートで、SDRの現 在の構成を2016年9月末まで9カ月間延長することを提案。新たな構成 の決定が先延ばしされる可能性が出てきた。

中国が求めているSDR構成通貨への人民元採用についてフランス などが歓迎する姿勢を示しているのに対し、米国は採用の前提として柔 軟な為替レートや金融改革を要求している。

米財務省で中国問題を担当した経験があり、現在は資産運用会社 TCWグループで新興市場ソブリン調査担当マネジングディレクターを 務めるデービッド・ロービンガー氏はSDRの現行構成を延長する提案 について、中国が議長国となる来年の20カ国・地域(G20)首脳会議の 直前の人民元採用に向けレールが敷かれたとの見方を示した。

IMFのシダート・ティワリ戦略政策審査局長は発表文で、理事会 は今後年末に向けて、SDR構成通貨見直しを正式に議論する計画だと 指摘。SDRの現行構成の延長は月内に判断が下されるが、同見直しの 終結の時期またはその結果を予断するものではないと付け加えた。

過去5年で利用拡大

IMFスタッフは人民元の国際的な利用について、低水準から始ま ったとはいえ、この5年間で拡大したと指摘。「広範な指標にわたっ て、人民元は国際的にかなりの程度利用されており、特にアジアにおい て著しい。欧州でも利用の度合いは増している」と分析した。

その一方で同リポートは、SDR構成通貨を決める際に判断する複 数の基準で人民元は主要通貨との間でまだ未達の部分があると指摘し た。

構成通貨となるためには国際取引の決済で「広く利用」され、かつ 主要な外国為替で「広く取引」されていることが必要とされる。主な基 準は準備通貨や国際的な金融債務・債券における構成比率のほか、外為 市場での使用の規模など。

原題:IMF Says More Work Needed on Yuan Reserve-Currency Decision (1)(抜粋)

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