トヨタ:4-6月純利益最高、10%増と市場予想超-中国警戒

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トヨタ自動車は4-6月決算で純利益が市場 予想を上回ったが、世界最大市場の中国では価格競争激化などもあり、 今後は楽観できないとみている。

4日発表の決算資料によると、4-6月の純利益は前年同期比10% 増の6464億円と最高益を連続更新した。営業利益は同9.1%増の7560億 円、売上高が同9.3%増の6兆9876億円となった。ブルームバーグが集 計したアナリスト12人の純利益予想平均は6171億円。

4-6月の利益段階では、対ドルでの円安や原価改善の努力などで 諸経費の増加などのマイナス要因を吸収した。ダイハツ工業と日野自動 車を含むグループ世界販売は小売りベースで、前年同期比で微減の250 万2000台だった。

立花証券の林健太郎アナリストはトヨタ決算について、良い内容だ と評価。新興国で販売が減少する一方、北米で大型車が引き続き売れて おり、利益に貢献しているとした。下期は不透明な中国市場など懸念材 料はあるものの、実勢レートからすれば為替前提をまだ円高方向に慎重 にみていることや、今後新型プリウスの投入も予想されるなど期末に向 けて業績の引き上げにつながる要素も多いとした。

売上高を上方修正

今期(2016年3月期)業績予想は売上高を従来の27兆5000億円か ら27兆8000億円(前期比2.1%増)に上方修正した。営業利益と純利益 の予想は据え置いた。為替前提は対ドルで従来の115円から117円に、対 ユーロで同125円から127円にそれぞれ見直した。

今期のグループ世界販売は小売りベースで1015万台の計画を継続。 中国合弁などを除いた連結ベースでは従来の890万台から895万台に見直 した。アジアを引き下げる一方、日本、北米、欧州を引き上げた。

一方、15年(暦年)のグループ世界販売計画は従来の1015万台か ら1012万台に引き下げた。トヨタ単体の国内販売を引き上げる一方、海 外販売を引き下げたことが主因となっている。

中国市場について、トヨタの大竹哲也常務は都内の決算会見で、景 気減速の影響が出てきていると指摘しながらも、トヨタの現地販売は堅 調で、目標110万台を達成できるとみている。一方、販売費は上がり、 販売価格を引き下げるなど厳しい環境になっているとし、「収益につい ては楽観を許さない」と述べた。

天津に新ライン

トヨタは同日、中国合弁の天津一汽トヨタに新ライン(天津市)を 建設し、18年央から新型車の生産を開始すると発表した。生産能力は 年10万台、投資額は約590億円の予定。一方、既存老朽ラインでの生産 は17年末までに打ち切るため、全体の生産能力は現状並みとなる。トヨ タは4月に新工場の凍結を解除し、メキシコに工場を新設して、中国で 生産能力を増強すると発表していた。

トヨタは今年1-6月のグループ世界販売で、独フォルクスワーゲ ン(VW)を下回り、首位の座を明け渡した。グループ世界販売は前年 同期比1.5%減の502万2000台となり、商用車メーカー2社分を含め504 万を販売したVWに及ばなかった。

国内大手自動車メーカーでは、ホンダと日産自動車が4-6月の決 算を発表しており、北米販売の好調などでいずれも大幅な増収増益だっ た。今期業績予想はいずれも据え置いていた。

トヨタ株の4日終値は前日比1%安の8121円、年初来では7.5%の 上昇となっている。

--取材協力:堀江政嗣.

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